立山特別本醸造金ラベルのクオリティがすごすぎる件

ども、富山人あるのんです。

昨年末からここ最近にかけて、スーパーや酒屋でこのような日本酒を見かけたことはありませんか?

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黒いラベルの立山です。期間限定商品なので普段は売っていません。

「なんだ、立山か、別に珍しくもないねか」

という声があちこちから聞こえてきそうですね。

そう、富山を代表する日本酒のひとつ『銀嶺立山』はスーパー・酒屋・居酒屋など、富山でならどこででも手に入るお酒で、特に珍しいものではありません。
しかし、この金ラベルだけはマジでやばいんです!

立山酒造株式会社

富山県砺波市にある清酒の製造と販売を行っている会社で、1830年に創業して以来、現在では生産量3万5千石を誇る北陸でも最大の酒蔵なのです。

それだけ大きい酒蔵なら県外にはもちろん、今どきなら海外まで進出してるんじゃね?と思いがちですが、この立山の消費の約9割は富山県内ということで、これはもう地酒中の地酒と言ってもいいでしょう。

何種類もある立山のお酒の中でも特に需要が高いのは、普通酒の『酉印』や本醸造といった低価格帯のお酒です。
級別制度がとっくに廃止されている現在においても、今だ鼻の頭を赤くした老紳士から「やっぱ酒は立山の二級酒やちゃ」と聞かれることもあるくらい、立山指名買いは今も根強いものとなっています。

富山の居酒屋では『熱燗』といえばこの立山の普通酒がほとんどです。淡麗辛口ですっきりして料理の邪魔をしないんですよね。価格もリーズナブルなので気軽に注文できてついつい飲みすぎてしまったりします。

「でもそんだけ大きい会社だと、機械でスイッチポンなんやろ?」

富山の地酒通にはいまいち評価がよろしくなかったりする現状もあります。
そりゃ小さな造り酒屋の純米やら吟醸やらのほうが通に人気があるのは当然で、純米や吟醸は使用する米の種類も精米歩合も全然違いますからね。
なのでもし比べるのなら、同じ『普通酒』や『本醸造』というカテゴリーで比べないと不公平ですよね。

大きい会社のだからだめ!小さい蔵からいい!

普通酒だからだめ!吟醸だからいい!

というのでは、あまりに早計すぎます。

頭や理屈で決めるのではなく、ぜひご自身の舌や好みで判断してください。

「普段は家で立山の普通酒を熱燗で飲んで、居酒屋では生酒や吟醸を飲みたいな」

「普段あんま飲まないから純米をストックしとこう。居酒屋では県外のお酒を試したいな」

など、自分はどんな味が好きなのか、どれくらいの量を飲みたいのか、予算はどれくらいなのかを考えて、自分なりの楽しみ方やつきあい方を模索していくのです。

さぁ、ここからが立山のターン。

ひっそりと発売された金ラベル

2014年末、富山市のスーパーで見慣れない黒いラベルの立山が売られていました。

ふむふむ、立山特別本醸造…?はて…?

清酒で『特別』と表記するには、特別である理由をラベルに書かなくてはいけません。

裏ラベルを見てみました。

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ギョギョギョ!!

米と米麹に兵庫県産山田錦の特等・1等!?

あ、ありえねえええええ……

数ある酒米の中でも山田錦と言えば酒米のキング。しかしキングは栽培が困難な気難しい一面もあり、気候や地形が最も適しているとされる兵庫県が全体の生産量の8割を占めるということです。その中でもさらに米の出来栄えが特等1等とか!!

これはもう、どこの蔵もが最高級の大吟醸に使いたい、喉から手が出るほどに欲しいお米なのです。

そして精米歩合が麹米・掛米ともに55%!!※掛米とはお酒を仕込むときに投入するお米

精米歩合とは、米をどれだけ精米するかという割合です。外側を削って削って中心の芯白に近づけるほど、雑味のないきれいな酒質になります。

精米歩合の基準
食用米:90~92%。
普通酒:規制なし(一般的には73~75%)
本醸造・純米:70%以下
吟醸・純米吟醸:60%以下
大吟醸・純米大吟醸:50%以下

つまり、55%というのはもはや大吟醸に近い精米歩合といえます。

さらにラベルには水の出処、添加する醸造アルコールの会社、色彩選別使用自家製米のことまで書かれています。

でも、お高いんでしょ?

これだけ原料にコストのかかってるお酒が安いはずがない。

はいはい、酒は金ラベル、お値段は金レベルなんでしょ?←意味不明

2,340円(税込)

普通の本醸造と変わらない価格帯でした。正直驚きです。

こうなると問題は味ですね。値段なりの味なのか、それともこの裏ラベルに書いてあるような豪華俳優たちがいい演技をしているのか。

飲んでみた結果、はい、アカデミー主演男優賞・主演女優賞総ナメです。

まるで吟醸酒のように華やかで心地よい香りと立山らしい柔らかな味わいは、とてもこの価格帯のお酒ではありません。飲み飽きもなく、どんな料理にも邪魔しない優しい味。まさに『金ラベル』と呼ぶに相応しい味わいです。

しかし不思議なのは、なぜこんな採算度外視といえるようなお酒が販売されているのでしょう。

実は、このお酒は、

年に一度の新酒鑑評会で受賞した原酒を使用した、通常は市場に出回らないお酒だったのです。


いうなれば、日頃のご愛玩感謝セールのような感じでしょうか。

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出典:立山酒造株式会社

上の写真に今年だけのと書いてありますが、これは2014年末に発売されたときのもので、ありがたいことにその翌年の2015年末にも発売されました。

しかし現在では既にほとんどのスーパーから在庫がなくなっているようで、もし運が良ければまだ残ってるところもあるかもしれません。ネットでも既に希少のようなので、見かけたらぜひ一度飲んでみていただきたいです。

次回(今年末)も発売されるかどうかはまだわかりませんが、居酒屋の扱いも大きくなってきているように感じました。徐々に知名度が上がってきているのかもしれませんね。もし今度見かけたら大人買いしようと密かにもろくんでます。

少なくともぼくの周りでは全員が「おいしい!」と絶賛していたので、周りの人たちにあげてもきっと喜ばれますよ。

日本酒好きの人は、ぜひ一度おためしあれ!