こんにちは、富山人あるのんです。
皆さんは「一万三千尺物語」をご存知でしょうか。
素敵な電車に揺られつつ、観光案内のアナウンスを肴に富山の景色や味覚とお酒まで満喫できちゃう憧れの観光列車です。
- 土日祝のみ運行(運行しない日もある)
- 運行時間は11:00時発と15:22発の2本のみ
- 11:00発は富山駅→泊駅→魚津駅→富山駅ルート(13:07着)
- 15:22発は富山駅→高岡駅→小杉駅→黒部駅→富山駅ルート(17:54着)
- 11:00発の料理は富山湾鮨コース
- 15:22発の料理は懐石料理コース
- 料金は通常プラン大人一人13,000円(税込)小人6,500円(税込)
- お土産付プランなら大人1,5000円(税込)小人8,500(税込)
- 予約はインターネットと電話から
「一万三千尺」の意味ですが、一万三千尺はメートルに換算すると4,000mですが、この4,000mとは富山湾の深海1,000m~立山の3,000mを合計した数値になります。
富山は立山連邦から海に至るまで自然の恩恵を大きく受けられている土地ということで、富山の恵みを象徴する数値をシンボルとして「一万三千尺」が使用されているのです。
ということでこの不肖のブロガーあるのん、ついに一万三千尺に乗る夢が叶いましたので今回ご紹介させていただきます。
一万三千尺物語
あいの風鉄道の改札を抜けるとすぐ右手には一万三千尺物語の受け付けがあり、こちらで受け付けを済ませて説明を聞きます。
ちなみに一万三千尺の記念乗車証は乗車日に限り「あいの風とやま鉄道 石動~越中宮崎駅間」がフリーで利用できるのでぜひ覚えておいてください。
待つ間もワクワクしすぎて「どっちからくるんだっけ?」と怪しげな不審者のようにキョロキョロしてしまいます。
そいつは、闇に光る猫の目のようにやってきた!
きなすったあああ~!!
中はいったいどんな感じなんでしょうかね~
ほおお~・・・
発車までまだ時間もあるし、ここは車内を探検しとかないとですね~
富山の名産品が陳列されています。
グッズもいろいろ。さらに奥へと進むと・・・
ふおおお~・・・・
なんと素敵な空間でしょうか。一人がけの椅子のゆったり感もいいですね。
車内アテンダントの方が「どうぞぜひ座ってみてください!」とグイグイくるので遠慮なく座ってみた結果、広々とした座り心地がほんのり王様気分。
富山には他に「べるもんた」という人気の観光列車がありますが、一万三千尺はそちらよりもかなりゆったりとした設計になっています。
内装には氷見市のブランド杉である「ひみ里山杉」がふんだんに使用されていて、車内は抜群のヌクモリティに満ち満ちています。
一万三千尺の車両は1号車~3号車まであって、トイレもしっかり男性用と多目的トイレがあるというのも嬉しい設計ですね。
やっとで自分の席に座れました。
今回ぼくが乗ったのは11:00発の富山駅~泊~魚津~富山駅ルートの富山湾鮨コースです。
いざ出発!!
電車が動き出すと、皆さんが盛大に見送ってくれます。
別件で仕事してるっぽい人も
新しく出来たばかりの新富山口駅にいた人も
パークゴルフに興じるおじさんたちも、皆さんどうもありがとうございます。
おかげ様でぼくもすっかりわざらしい皇室スマイルが板についてきました。
食前酒として「幻の瀧 柚子スパークリング」が出てきました。爽やかな酸味と心地よい炭酸、やわらかな甘味が胃袋をやさしく刺激してくれます。
おしながき
11:00発の電車は富山湾鮨コース。いったいどんなシースーがベーターできるのでしょうか。
ほう・・・
寿司はまさに「富山湾鮨」の名にふさわしい堂々たる内容ですな。
日本酒は富山の幸に合う間違いのないラインナップですが、日本酒好きとしてはもうちょっと種類があってもよろしくってよ・・・と思う次第ではありますが。
日本酒以外にもビール、ワイン、先ほどのゆずスパークリングもあるし、もちろんソフトドリンクもありますね。
まずは茶碗蒸しが運ばれてきました。
ぼくは茶碗蒸し大好き星人なので、バケツ一杯のプリン・・・ではなくバケツ一杯の茶碗蒸しで延々とお酒を飲むのがぼくの夢の一つです。
食前酒をいただきながら景色や車内アナウンスを楽しんでいると、ついにそいつはやってきた!
ど~ん!! どどど~~ん!!!! と、目の前に大きな木の箱が2つ置かれました。おそるおそる蓋を開けてみると・・・・・
シャラ~~ン♪
シャララ~~~ン♪
効果音が聞こえてきそうなビジュアルですが、いやもう食べる前から最高じゃないですか!!
我々はつい寿司に目がいきがちですが、ぶり大根・おすすめ造り・白えびの天ぷらも富山らしさを出しつつしっかり美味しくて最高に満喫させていただいています。
今回の寿司は、この道50年にして富山湾の魚と米を使用する「富山湾鮨」の仕掛け人の一人であり、富山県鮨商生活衛生同業組合の理事長で旭日中綬章も受賞されている山下信夫さんによるもので、とっても貴重な寿司をいただくことができました。
山下さんが代表を務める寿司正では現在息子さんがツケ場に立っていらっしゃいますが、久々にいただく山下さんの寿司がまさか一万三千尺でいただけるとは夢にも思いませんでしたよ。
どれも美味しいいい~!!
お酒はぜったいに飲まなきゃいけないので(※)、まずは幻の瀧と宇奈月ビールをいただきました。
※個人的な趣向です
あれだけじゃもちろん足りないので成政を追加。
いや~やっぱ富山の料理には富山のお酒が合いますな~
この椀物・・・なんという繊細なおいしさでしょう!濃い味好きな人にとってはけっこうな薄味に感じるかもですが、ちょっと体験したことのない味わい深さです。
食事を楽しんでる間に電車は東へ東へと進んでいきます。
すると、電車の速度が徐々にゆっくりとなっていき、ついには橋の上で止まってしまいました。
停電・・・ではなく、故障・・・でもなく、この後のアナウンスで「ほえ~~」と唸るしかない説明を聞きました。
それが何なのかはやはり直接聞いていただかないとですね~・・・フフフ
泊駅到着~あいのトキめき駅~
富山駅を出発したのが11:00。
食事にお酒、会話やアナウンスを楽しんでいると、泊駅に到着までの約50分なんてそれこそアッという間でした。
泊駅に停車して折り返しの出発まで15分あります。
その間、車内ガイドさんがちょっとした観光案内をしてくれるので、我々はただひたすらカルガモのヒナのように付いていくだけです。
朝日町にある泊駅は「あいのトキめき駅」の愛称で親しまれています。
富山の「あいの風鉄道」と新潟の「えちごトキめき鉄道」の境界に位置する駅だからということですが、この駅に訪れたカップルは末永く幸せになるジンクスがある・・・わけではありませんが、今一歩が踏み出せない人はここで背中を押して貰うのもアリかもしれません。
そしてお次が・・・
駅の待合所には無警戒に巨大なヒスイを含んだ石を置いてあります。
「巨大なヒスイ」ではなく「ヒスイを含んだ石」というのがポイントなのでしょうけど、この石の重さはなんと150kg!
宮崎海岸のヒスイテラスでは海岸で拾った石をヒスイかどうか鑑定してくれるので、ヒスイ探しに精を出してみると盛り上がること請け合いですよ。
ちなみにぼくも過去にヒスイ探しをしたことがありますが、吟味に吟味を重ねて拾った渾身の石は「ただの一個もかすらなかった」ことをここにご報告致します。グスン・・・
魚津駅へ向けて出発
12:06に泊駅を出発。
車内では上生菓子と宇治の玉露、またはコーヒーが提供されます。
このコーヒーですが、なんとYKKのコーヒーなんですよ。
YKKといえばファスナーの世界的なシェアを誇る富山の大企業ですが、YKKはブラジルにコーヒー農場を保有していて、その広さ3300万坪と言ってもなかなかピンときませんが、東京ドーム2300個分の広さといえばわかるかと思いきや、やはりピンときませんでした。
規模でかすぎ~!!
上生菓子として出てきたこちらの和菓子は上品な甘さで、なんとも柔らかくやさしげな味です。
魚津駅到着
12:28分に魚津駅へ到着。
次の出発は12:43になるので、やはり15分間の滞在となります。
この地で我々に待ち受ける運命とは果たして・・・!?
観光案内所!?
建物内に案内されると蜃気楼の映像をバックに撮影してくれます。
まるで蜃気楼がすぐ後ろに現れているような錯覚に陥る・・・とまではいいませんが、旅の記念に一枚いかがでしょうか。
この後に「東山円筒分水槽」や「加積りんご・ぶどう・なし」など色んな説明を受けるのですが、とにかくガイドさんのマシンガントークがキレッキレで、温かみのある方言とグイグイくる抜群のコミュ力っぷりはまさに「魚津のお母さん」と呼ぶに相応しいお人でした。
お土産に資料の入ったパンフレットをいただきました。この入れ物はクリアファイルにもなるスグレモノ。
ちなみに観光案内所の横の交番のさらに向かいには「エスポアおおさき」という酒屋さんがあります。
地元富山でもごく一部の特約店でしか販売されていないお酒が買えたりするので、富山のうまいお酒を買いたい人は電車を降りたら酒屋さんへ直行されることをオススメします。
また今度ぜひ立ち寄らせていただきますぅ~!
終点富山駅へ
12:43分に魚津駅を出発、終点の富山駅には13:07分に到着するので残すところあと24分間の旅ということになるでしょうか。
しばし電車に揺られていると、車内アテンダントさんがやってこられました。
おほ~!なんと粋なサービスでしょう。決断力の鈍いあるのん氏、とりあえず写真だけぜんぶ撮っておきたくて並べて撮ってみたところ・・・
なんと車内アテンダントさんの粋な計らいでポストカードをコンプリートしてしまいました。どうか上司から叱られていませんように・・・
富山のお米で作ったバームクーヘン「木楽里」
別の方が車内販売にまわって来られたので迷わずゲット。
The Story of 13000の焼印が押されているのは一万三千尺物語だけの限定販売品です。
ハーフサイズとはいえなかなかのボリュームで「一人で食べ切れるかなあ~」と心配でしたが、ひとくち食べてみるとホロホロっとしたふんわり食感が心地よくて美味しくて、ついペロッと食べきっちゃいました。
お土産付きプランだったのでお土産もゲット!!気になる中身は・・・ヒ・ミ・ツ♡
後は・・・
富山駅に着くのを待つばかり・・・
・・・帰りたくねえ・・・
ずっと乗っていてえよ・・・
ちょっと寂しい気持ちになるのは旅の時間が極上のひとときだったからに他なりません。
辛い現実から目をそらさずに、未来へ向かって歩んでいきたいと思います。
とっても濃厚で格別な2時間7分を過ごすことが出来ました。どうもありがとうございました!
あとがき
この2時間はアッという間のひとときでした。
料理もお酒も美味しくて、風景も内装も素敵ということならそれはもう最高じゃんといいたいですが、これほどに満足感が高かったのはさらに「人の温かさや、もてなしの心」に触れることが出来たからです。
どのスタッフさんも対応が温かで細やかで、ときには臨機応変に対応してくれたりと「この旅が最高のものであってほしい」という思いがすごく伝わってくるのです。
この一万三千尺物語の利用者は県外からの観光客が多い印象ですが、富山の人もすごく楽しめると思うのでぜひぜひ乗っていただけたらと思います。
次回はぜひ高岡方面の懐石料理コースを体験してみよう~っと!
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