朝日町出身の友人じゅん氏が、これまで幾度となく誘ってくれた歌昌苑。
「朝日町までわざわざ焼肉を!?」
朝日町は富山市中心部から下道で1時間半近くもかかり、なかなかの長旅となる。
実は彼から歌昌苑に誘われたのは1度や2度のことではない。彼がそこまで誘ってくれるからには何か特別なものがあるのだろう。
期待に腹が凹みまくったころ、ついに実現へと至ることとなった。
今回、歌昌苑がどのようなお店か事前にリサーチすることは行わない。それは何度も誘ってくれたじゅん氏への冒涜になるのではないかと思ったからである。
朝日町のゲーセンで待ち合わせし、いよいよ歌昌苑へと乗り込む。朝日インターから8号線を新潟方面へと進み、店にはものの数分で到着した。
外観からも伝わる、この絶妙な昭和テイスト。
気になることといえば、駐車場がほぼ満車であるということだろうか。
富山市内の8号線が2車線であることを差っ引いても、8号線沿いにこのような外観のお店が賑わっているというのは、富山市ではちょっと想像がつかない。
寂れたドライブインのような雰囲気の入り口をくぐると…
店内はほぼ満席だった。
座敷もこの様子。
運良くカウンターに2席の空きがあり、我々は運良く待つことなく座ることができた。
我々が座ったカウンターテーブルには水以外のものが付着していた。これはただ単に店内が混雑していたことでたまたまうっかりされていたのだろう。
歌昌苑においてこのようなことは実に取るに足らない瑣末なこと
歌昌苑のふっかふかの高級紙おしぼりは実に使いで抜群であり、手を拭くだけの用途ではオーバーテクノロジーも甚だしい。
綺麗にしてみたところでテーブルはまたすぐに汚れる。であるならば、いちいちこまめに拭くというのは無駄な行為ではないか、ということに気付かされるだろう。
メニュー
焼肉のメニューの多くが450円~650円とリーズナブル。
一番高いカルビが950円で、このカルビの値段は世間的にはそう高いものではないが、このメニューの中ではかなり目立つ存在である。
ではまずこのカルビから攻めてみることにしよう。
■カルビ 950円
なんかすげえ肉出てきた。
見た目にはちょっとよろしくないいものの、味にはまったく影響はない。
もちろん洗ってあるので衛生的には無問題。我々はこの皿からもお店の年輪の深さを感じとることができるのである。
このカルビの超絶に柔らかくてとろけるような旨さ!!!
この肉質でこの値段はヤバい!!!
やはり焼肉には白い飯が似合う。地元の朝日町産コシヒカリを使用しているというだけあってやたら米が旨い。多少固めなのも嬉しいポイント。
この銀シャリは大盛りではあるが、己の欲望のままに頬張ってしまうと後々後悔することとなるだろう。ペース杯分には熟慮が必要だ。
トングなどというチャラチャラしたものは歌昌苑には無用の長物。
漢なら割り箸で闘え。
ホルモン系は炎属性が強いので、攻撃判定の外側から狙っていこう。
■ホルモン 500円
こんなに綺麗な豚ホルモンは初めて見たかもしれない。一点の臭みもなくコリコリした食感がクセになる上質なホルモンである。
換気扇のサイズは一般的に想像するタイプのものであり、明らかに換気が追いついていない。
長年煙に晒された店内インテリア。
全国的に見てもビール瓶と酒樽の燻製があるのは、恐らくこの歌昌苑だけかもしれない。
店内が煙に包まれているせいか、なかなかピントも合わない。
■鳥ハラミ 450円
大きめに切り分けられた鳥ハラミはより強いコリコリ感が楽しめて、鶏好きにはたまらない一品だ。
創業から40年以上が経過しているそうだが、恐らく開業当時からまったく変わらないと思われる店内。
店に訪れている人々は皆とても楽しそうだ。
皆が笑顔でわいわいと賑わっている様子は、まさに昭和の古き良き時代を思い起こされることだろう。
■牛ホルモン 650円
これまたプリプリの脂と食感がたまらない上質な牛ホルモンである。
牛カルビ950円、ホルモン500円、鳥ハラミ450円、牛ホルモン650円という価格設定だが、見た目に質が高くて安い上に、さらに量もあることにお気づきだろうか。
気になってじゅん氏に「これ、実は全部2人前じゃない?」と思わず聞いてしまった。
まるでこのお店が黙ってても人数分のお肉を出してくるような物の言い方ではないか。
まあ、この謎は会計のときにハッキリするだろう。
〆の一品
さあ、それではいよいよ歌昌苑のラストを締めくくる〆の一品へと移行する。
歌昌苑はラーメンが旨いことでもよく知られているのだという。確かに後ろからも「ラーメン1つ」という声が聞こえてくる。
「1人で一杯食べきれるか自信ない…」
と不安がるじゅん氏をカチ無視してラーメン2杯をオーダー。
■ラーメン 570円
素朴な見た目ながら丹念に取られた出汁の旨味が生きるスープに、トロットロのチャーシュー。
そして「細麺は甘え」と言わんばかりに中太麺が胃袋にのしかかる。
ペロリ
これは旨い一杯だった!どうもごちそうさま。
緊張の会計タイム
いよいよ緊張の瞬間。
頼んだものは、カルビ、ホルモン、鳥ハラミ、牛モツ、ライス大×2、ノンアルビール×2、ラーメン×2。
まさか肉が2人前ずつってことはないと思うけど…と思っていたら、
1人あたま3,010円であった。
つまり、あの肉はすべて1人前の量だったのだ。
イヤ、マア、シッテタケドネ…
じゅん氏にはこれだから素人は…と飽きられただろうが、質・ボリューム・価格・昭和、この全てが渾然一体となって、地元の人たちに根強く愛されているお店なのだということを実感した。
微妙に不自由な点があったとしても、「昔はどこもこんな感じだったよね」と、現代人が忘れがちな心のゆとりを思い出させてくれ、それがまた我々カショラーにとって魅力的なのだ。
朝日町民にとってこの歌昌苑は、たら汁で有名な栄食堂と双璧をなす名店とのことなので、朝日町民以外の人もぜひ訪れてみてほしい。
我々現代人が様々なものと引き換えに失ってしまったものがまだここにはあるのだから。
歌昌苑
住所:富山県下新川郡朝日町横尾851
電話:0765-83-0275
営業時間:平日17:00~20:30
日曜日11:30~14:00 17:00~20:30
定休日:火曜日
コメント
コメント一覧 (2件)
これが噂の!マジ行ってみたいですなこれは
今週末はぜひ歌昌苑トークで盛り上がりましょうw