こんにちは、富山人あるのん@_arnon_です。
国道41号線をひたすら南へ進み、岐阜にほどなく近づいたところに楡原地区があります。
神通峡のさらに奥
楡原は今や同じ富山市内とはいえ、それなりに発展してきた富山市中心部周辺からみれば、いまだ昭和から取り残された地域であるように感じます。
あまり目立たない楡原ではありますが、この地域には長年地元民に愛されてきたラーメン店がポツリと存在するのです。
そのお店の名は『食事&喫茶 山香』(さんか)。
富山市内から国道41号線を岐阜方面へ進んでいくと、途中の信号で道なりに右折するところがありますよね。
その『楡原』の信号で右折しないでまっすぐ300mほど進むと信号機があり左手にENEOSのスタンドがあるのですが、そこを左折してすぐのところに今回ご紹介するお店があります。
先代が他界されて20有余年、女将さん1人で切り盛りしてきたというこのお店は、今や貴重になりつつある純然たるおふくろのお店といえるでしょう。
この楡原地区で唯一ランチが食べられるお店として、地元の老若男女らの胃袋を支えてきたのです。
一見、地元民以外は誰も知らなさそうなお店に見えるのですが、北日本新聞社発行のフリーペーパー『まんまる』に2017年3月号に掲載されると、田舎の隠れた名店として一躍フィーバーすることになりました。
といってもぼくはつい最近知ったばかりのにわかなので、その辺は聞きかじった情報なんですが。
山香の店内
座席数はL字カウンターに9人、座敷というには申し訳程度のお座敷が2人がけ×2組あり、外観の印象どおりのこじんまりとしたお店です。
地震が少ない富山ならではのこのギリギリ感。
まんまるの記事も飾られています。
有名人、と思わしきサイン郡。天童よしみさんしかわからねえ・・・
壁に貼ってある謎のかるたもなかなか味があるんですよ。
右下の「おおさかから 来た人の日記 おもしろい」って、それ単なる感想や!(笑)
山香のメニュー
昭和時代から値上げを拒否してきたかのような価格設定ではありませんか。
大盛りは50円増し、高校生までの学生はすべて50円引きというきっぷの良さに、楡原人の良心を感じずにはいられません。
すべてのメニューにお得度の高さが感じられますが、中でも特にお得感が強いのはランチサービスです。
- ラーメンセット 700円
- チャーハンセット780円
ラーメンセット 700円
富山ブラックラーメンを思わせる色の濃いスープのラーメンと、富山ではおなじみすぎてコンビニでも普通に売ってる「とろろ昆布」のおにぎりと漬物がセットになったものです。
とろろ昆布はより旨味の強い黒とろろ昆布が使用されており、にぎり加減もほどよい柔らかさでまさに『おふくろのおにぎり』といった温かみが感じられます。
たくあんの骨太な歯ごたえとさっぱり感が、またなんとも懐かしく嬉しい味なのです。
見た目にはいかにもしょっぱそうなスープの色をしていますよね。
と・こ・ろ・が……!!!
これが意外としょっぱくなくて、一般の醤油ラーメンと比べてもあっさりしてる方だと思います。
麺はスープのあっさり味に対してつるっとして舌触りが良く、ほどよい歯ごたえが抜群に良いコンビネーションを醸し出しています。
昔ながらの雰囲気を醸しだす豚バラのチャーシューは、よく煮込まれていていい感じに味が染み込んでいます。
意外とメンマがいっぱい入ってるんですが、『メンマラーメン』だとどのくらいのメンマが入るのか気になるところではあります。
食後のコーヒーもランチに含まれています。この内容で700円は安い!!
ちなみにメニューには書いてありませんが、ラーメンセットはチャーシューセットにもできます。
撮影:奥田師
ランチの内容にとても満足しながらお店を後にしました。
……満足したけど、このときの女将さんは忙しそうでまったくお話ができなかったので、気になった味噌ラーメンを食べに再訪を決意。
夜は夜で味がある。
味噌ラーメン550円 & チャーハン580円
シルエットはまるでカレーライスのようですが、これがなんというか家庭のチャーハンっぽくて懐かしいおいしさです。
チャーハンには通常スープが付くのですが、しかし今回は・・・
ラーメンも注文したということで、ミニサラダに変更されていました。これは嬉しい!
そして味噌ラーメン。
ずずっとスープをすすってみるとこれも醤油ラーメン同様、とってもさっぱりした味わいではありませんか。
あっさりした味ですが、もちろん味噌の味はしっかりあって心に染みいるようなやさしい味わいです。
食べていると、何やら一皿運ばれてきましたよ。
「これよかったら食べて~」と言って出てきたのが、赤カブの酢漬け。
ああ、おいしいなあ~・・・素朴で後を引くうまさ。お酒飲みたなるわ~
こういうちゃんとした漬物のありがたさがは、ある程度の歳になってわかってくる世界かもしれないなあ、なんてしみじみ思ってみたり。
このときは他にお客さんがいなかったので、女将さんにじっくりとお話を伺うことができました。
女将さんはお話し好きと聞いていただけあって、まるで以前から知っていたかのような人当たりの良さで、誰でもすぐに打ち解けられる親しみやすさがあります。
話題はやがて、メディアによる取材のエピソードにも及びました。
まんまるの掲載後はこの小さなお店が多くの人で溢れかえったということですが、さらにその後にはテレビ局による取材も入ることになったのだそうです。
最初は頑なに断っていたそうですが、あまりのしぶとさに根負けして承諾した瞬間にやたら上から目線の対応になった上、撮影も日だけ伝えられてぞろぞろ押しかけられ、女将さんはどう対応していいかわからずに困惑されたそうです。
でもその後、また別のテレビ局のカメラが入ったときは取材後に「おいくらですか?」と聞かれ、それまでテレビの取材でお金が払われることがなかったので女将さんが驚いて「なあん、いいちゃ~」というと、「会社から出るからいっぱい請求しとかれ~(笑)」という微笑ましいやりとりもあったそうです。
後日、そのテレビ局に挨拶に行くと担当の人はいなかったけど、代わりに偉い人が対応してくれて女将さんのこともちゃんと覚えてくれていたのだそうです。
お話を伺っていて、ローカルのテレビ局でも色々なんだなあと考えさせられますね。
かるたは誰の作品!?
この味のあるかるたは、地元の神通碧小学校の児童ら現6年生が3年生のときに制作されたものなんだそうです。
かるたは全部で100種類ほどあるらしく、『神通峡岩稲温泉 楽今日館』に展示されているとのこと。
まとめのひとこと
このお店にはじめて訪れたときから感じる、不思議な居心地の良さや懐かしさ。
それはやはり、女将さんの温かい人柄によって長年に渡り積み上げられたものに他なりません。
子どもからお年寄りまで幅広く日常的に利用されているお店なので、誰が行っても暖かく迎え入れてくれることでしょう。
今度はぜひ塩ラーメンを食べに行きまっす!!!
食事&喫茶 山香
住所:富山県富山市楡原653-1
電話:076-485-2202
営業時間:11:30~13:30 17:30~21:00
定休日:水曜日
※日・祝日は夜のみ営業
駐車場:3台
コメント
コメント一覧 (2件)
前にハマってよく行ってました。
ですが醤油チャーシューしか食べたことないです笑
そして女将さんからは同じ話をして頂きました笑笑
おおお、さすがですね。
きっかけは記事を見たりテレビで知ったりという感じなのでしょうか。
であれば、自然とその話題にも及ぼうというものですね(笑)