ふと、旅に出たくなるときってありませんか?
知らない土地へ行き、現地の知り合いに会うこともなく、ただ一人で旅情を楽しむ。
過去を思い出してみると、今までにそういうことってしたことがなかったんですよね・・・ 県外に行くときは過去に何度も訪れていたりとか、誰かと一緒だったりとか、現地の知り合いと会うとかそんなパターンばかり。
自分の保守的な部分や行動力のなさには絶望の念を抱かずにいられませんが、ついに念願かなって見知らぬ土地へJOINすることと相成りました。
これから数回にわたってお届けするGW長野編。どうか最後までお付き合いくださいませ。
新幹線に乗っていざ出発!!
今ってネットで予約してICOCAとかの交通系電子カードと紐つけると、すべてがICOCAだけで完結できるんですね。往復分の特急券やら指定券やら持たなくてよくなったのはいい時代になったものですなあ。
旅というものは否応なしにテンションが上がるもの。とはいえ現地で本気を出したいのでここは軽めにね。いや~ぼくも大人になったものですわ。
このときまだ午前9時ごろ。
はい、約1時間後に長野駅に到着。
ええ、皆さんのおっしゃりたいことはわかりますよ。「1時間で旅とか大げさかよ」とは自分でも自覚してますが、知らない土地に行くことが最重要課題でしたので場所はどこでもいいのです。
下調べはほぼせず、己の嗅覚でどこまで楽しむことができるのかを試したいのですから。
生粋の富山人からすると、「なかなかいい感じに栄えてるじゃない」と素直に思いました。ここで重要なのは間違ってもビルの多さや高さなどではなく、魅力的な飲食店がどれだけ集まっているかという点に尽きます。
そういう意味ではとてもワクワクする街に思えました。
立ち呑 ちとせ
長野駅を出てまだほんの数歩・・・ いきなり足が止まってしまいました。
おや・・・!?
立ち呑 ちとせ・・・ 365日24時間営業やてぇ!?
北陸新幹線開業以後、富山駅前エリアも昼飲みができるお店が増えたとはいえ、24時間営業している居酒屋はありません。朝から手段を選ばず飲もうとしたらたぶん吉野家くらいでしょうか。
しかも、ビール・日本酒・焼酎100円!?
何言ってるかわかんねえええ・・・!
さらに、この階段一段一段に刻まれているアピールっぷりは富山ではなかなか見られないものです。
一言で印象を述べるならば、ちょっと怪しすぎる・・・
いきなり広がった異世界空間の入り口に、ぼくが吸い寄せられないはずはありませんでした。
時間はちょうど10時をまわったところ。
まずは気軽にモーニングビールと洒落込みましょうや。
お店に入ると、左側にグループで利用する的な立ち飲みテーブルがあって、
右側は普通にカウンターや座席のある居酒屋スペースとなっています。
このときお客さんはまだぼくだけでした。
メニュー
メニュー構成を見てみると、居酒屋メニューや食事メニューがばっちり揃ってるし、信州の地酒も色々あるのでかなり安心感のある内容ですね。
冷蔵庫横には定番メニューに載ってないものも貼ってあったりして魅惑的ですが、とりあえずは生ビールをオーダーしました。
メニューを見ると「グラス280円」となってるし、何が100円なのか正直かわからなくて、「あたい、騙されちゃったのん?」と一瞬思いましたが、まったくそんなことはありませんでした。
午前8時~24時まではお客様感謝デーということで、グラスビール・日本酒とっくり一杯(無冠盃・梅の寿)・焼酎グラス一杯(大喜利)(水割りロック)が100円で提供されています。
毎日がお客様感謝デーとか、わいらどんだけ感謝されとるん・・・グスッ
付き出しはわらびのおひたし。うん、いいじゃない。
しかし、何か食べたいと思ってメニューを眺めてみるものの、いまいちピンとこない・・・
悩みに悩んだ挙げ句飛び出したセリフが・・・「何か長野っぽいものってありますか?」。
感じの良さげなおばちゃんは一瞬悩んだ様子でしたが、「ここに書いてあるのも見てみて~」と。
おろっ!?定番メニューの他にこういうのもあったのか。
ちゃんとあるんじゃん!!!
そうそう、こういうのを期待していたんだよ。
う~ん・・・ うん・・・??のびろ・・・・・!!?
「あの、のびろってなんです?」
そう聞くとおばちゃんは「ああ、のびるってわかる?」。お!?のびるならわかる。のびろとはのびるのことらしい。勢いもあってそれをオーダーしてみました。
のびろ味噌 ¥380
おおお・・・
これはうまいいいい!!!
のびるって独特のツーンとした感じもあって好き嫌いが分かれそうな感じがあるのですが、味噌を加えることでお互いの個性がより引き立って後を引く旨さです。
これマジでうめえええ・・・ 永遠に食べていたいおいしさですわ。
こうなると日本酒を頼まない世界線などあり得ませんよね。
長野は酒蔵が80ほどあり、なんと富山の4倍ほどにもなるんですよ。羨ましいぞ~!!
さてと、次は何を食べようかな。
う~~~ん・・・・・・ なんかコレ超気になるんですけど~・・・
えご!?・・・とな?
エゴの権化のようなあるのん氏にもまったく想像がつきません。好奇心も相まって秒でえごをオーダーしてみました。
えご ¥380
な、なんじゃこりゃああ????
「醤油で食べてくださいね」
まったくわけがわからん・・・ けど、このわけわからなさがもう最高!!!
知らない土地に、知らない名前の料理があって、見た目にもまったく味の想像がつかない未知の料理・・・
これが旅の醍醐味ですよ!!!
こういう体験がしたくて長野に来てみたので、もうワクテカが止まりませんわい。
箸で切ってみると・・・ 寒天状になっていてスッと断ち切れる。
口へ頬張ってみると、これ自体に塩や砂糖などの味付けは感じられずヨモギのような風味がします。なんとも不思議な味。
「えご」とはいったい何かというと、青森・新潟・能登半島などの日本海側で採取される海藻食品です。
富山では馴染みのない食品ですが海のない長野でなぜえごが郷土食なのかというと、不足しやすいミネラルを補える意味もあり冠婚葬祭では欠かせないありがたい食品ということなのです。
飛騨における「汐ぶり」と近しいものを感じて親近感を覚えましたが、これが美味しいのかと言われると「それは何とも言えない」としか言いようのない印象でした。
このお店のものだけで判断するのは野暮と知った上で語ると、このヨモギっぽい繊細な味の食べ物に醤油をつけて食べると醤油の味が勝ちすぎちゃうんですね。
これがわざび醤油ではなくて、ちょっと塩味の主張もあるだし汁に浸ったものであったならまた違ったのかなあと。
「よそモンに何がわかる」と言われてしまうと本当にその通りだと思いますので、郷土料理というのはその土地で育って培われた味覚も大きく関わってくると思う次第です。
お酒もいちいちおいしくて、長野一発目のお店としては上々の滑り出し。
まとめ
長野駅前にあり365日24時間営業していて日本酒の品揃えも多く、フードメニューも充実していてリーズナブルって、富山人からするとめっちゃ羨ましい限りのお店です。
ぼくが訪れたときは気さくなおばちゃんの1オペ営業でしたがこちらのお店は24時間を3交代で回しているそうで、夜中には夜中専用のメニューがあったりするようですし、店内には缶詰やカップ麺なども色々揃っていて、それはそれで楽しそうな予感しかありません。
たまたま入ったお店でしたが、とても味のある良心的なお店で楽しいひとときを過ごさせていただきました。
時間はそろそろ11時。ではこれから蕎麦でも食べにいくとしますかね。
– To Be Continued –
立ち呑 ちとせ
住所:長野県長野市南千歳1-22-10 イチカワビル2F
電話:026-225-0307
営業時間:24時間営業
定休日:365日営業
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