【そば処まるぜん】くすしそばで有名な蕎麦屋が「大喜」の味を再現!

こんにちは、富山人あるのんです。

「大喜」といえば、富山の昔からのラーメン好きにとって、様々な思い出が詰まったラーメン店ではないでしょうか。

大喜は平成12年に(有)大喜から現在の西町大喜に経営が引き継がれましたが、その他にも暖簾分けのお店や、かつてのお弟子さんらによってその味を受け継ぐお店がいくつか存在します。

富山市にある大喜根塚店、大喜21、喜八、中嶋などがそれにあたります。

そしてつい最近、富山市千石町で親子三代にわたって創業70年以上という老舗のそば店「くすしそば本舗 そば処まるぜん」においても、元祖富山ブラックの味を再現したラーメンが提供開始されたのです。

その名も「中華そば だいき」

大喜は「たいき」と読みますが、「だいき」とは創業者がこのラーメンに付けていた名前なのだそうです。

まるぜんの店主の窪田憲修さんは、かつて修行時代に大喜に4年間勤めていた経歴があり、今回再現された大喜の味はできるだけ当時の食材やレシピを重要視されたとのこと。

とはいえ、かつて大喜で使用していた香川県小豆島産の醤油メーカーは既に廃業しているとのことで、その近い味わいのものを探すのに苦労されたそうです。

大喜の特徴はなんといっても独特の濃ゆい醤油ダレにあると思いますが、でも特徴はもちろんそれだけでなく、麺・チャーシュー・メンマ・薬味に至るまで、大喜は他のラーメン店とは明らかに違う個性を持っていました。

「ネギ1つにしてもわざわざ埼玉県産のものを使用していた」と、かなーり前のことですが、店主の窪田さんから伺ったことがあります。

だいきの前に平成の中華そば

「だいき」は2018年6月18日より提供開始されましたが、それまでこちらのお店では「平成の中華そば」という富山ブラックラーメンが提供されていました。

元祖富山ブラック(大喜)をまるぜん風にアレンジしたというものです。まずはこちらのラーメンから見ていただきたいと思います。

平成の中華そば 650円

スープの漆黒の色合いはまさに富山ブラックといった感じですが、でも大喜とはまったく趣の異なるものです。

【参考画像:西町大喜】

■プライドのスープ

醤油の濃醇な味わいがズシリと感じられます。しかし、この油の浮き具合からもなんとなく察しがつくかもですが、旨味も濃厚で決して醤油だけの重たい味ではありません。

かなり濃いのに、スープがおいしくてついレンゲで啜ってしまうのです。

このスープから、大喜直系のプライドと蕎麦屋のプライドを感じ取ることができます。

■麺

麺は自家製の中太微縮れ麺。かなり固めに茹でられているんですが、この麺がとっても心地良いんですよ。

ぼくが固めの麺が好きというのもあるんですが、この濃厚で旨味豊かなスープとの相性は抜群です。

■メンマ

メンマは塩抜きすらしてなさそうな大喜のものに比べるとかなりマイルドですが、一般的なラーメン店のメンマよりは塩加減は強めではありますね。

といっても普通においしく食べられるレベルの塩加減です。

■チャーシュー

チャーシューはほろほろに煮込まれている味の濃いもので、これがまたとんでもなく白飯に合います。

平成の中華そば総評

富山県内に数ある富山ブラックラーメンですが、このラーメンは自信を持って人に勧められるクオリティです。

わりと最近までこのブラックラーメンの存在を知らなかったことを恥ずかしくすら思いました。

富山ブラック好きならぜひ抑えておくべきラーメンだと思います。

大喜を再現!「だいき」

富山ブラックラーメンとしてもクオリティの高い「平成の中華そば」ですが、昔の大喜を懐かしむ常連客のリクエストに応える形で味の再現に取り組まれることになったのでした。

その期間、約半年余り。

そうして出来たラーメンがこうなりました。

だいき 750円

おおっ!?

スープの色が黒ではなくブラウンです。ネギの切り方もかつてと同じではないものの、「厚めに切る」というイメージは受け継がれています。

■スープの味は!?

「あ、確かに!」

と偉そうなことを思ってしまいましたが、平成の中華そばと比べても醤油のどっしり感が中和されてほんのり酸味すら感じる醤油の芳香な味わい。

ああ、確かにこんな味だったな気がする。

ぼくが初めて大喜を食べたのは、十代のとき「なんか人いっぱいるし人気なのかな」と入って、メニューも見ずに「チャーシューメンで」とやらかしたのは今ではいい思い出です。おやっさんごめん…(大喜にはチャーシューメンというメニューはない)

スープの色がブラウンなのは色で選んだということではなく、味を最優先に選んだらこうなったということなのでしょう。

■麺

ああ、これまた麺が固めでいいなあ~。

平成の中華そばと同様に固めでコシが強い。実際ここまでコシは強くなかった気がするけど、イメージは大喜そのものだし何よりうまい!
この麺すごく好きだなあ。

■チャーシュー

ざくざくに入ったチャーシューはまさに大喜。麺の下にもいくつか埋もれています。

■メンマ

大喜の再現ということで、メンマはすごく塩辛い。けど微妙に塩分はマイルドになってる気がする。

そして小さめにカットすることで、1度に摂取する塩分をなるべく少なくしようという意図が感じられます。でも銀シャリ必須!

■ブラックペッパー&ネギ

大喜といえばド派手に振りかけられたブラックペッパーは欠かせません。だいきにはそれなりに入ってはいるものの、少々遠慮が感じられる振り方でしょうか。

そして、ブラックペッパーももちろん大事ですが、大喜のラーメンはなんといってもこのネギが重要です。

醤油やメンマのしょっぱさに揉まれる中で、このネギの存在が終盤でどれほどありがたいかは食べた人ならきっとわかっていただけるのではないでしょうか。

だいき総評

「大喜の再現」とはいうものの細かくは違うし、あえて違わせている部分も見受けられますが、ぼくが今までに食べた大喜派生の中では最も強いスピリットを感じました。(すべて食べたわけではないのですが)

見た目や雰囲気が似てて味も近ければいいというのではなく、見た目は多少違ってても大喜の突出した個性を現代風に再現したような、そんなイメージの味です。

大喜の先代の高橋是康氏は、弟子たちに「大喜の味は時代と共に変化せせても良い」と教えたそうですが、このお店のだいきと平成の中華そばこそが、まさに時代と共に変化させたものではないのかと思うのです。

まるぜんは平成の中華そばもおいしいので、富山ブラックや大喜の味が好きな人にはぜひ両方を食べ比べていただきたく思います。

このだいきは夜限定・1日10食限定とのことです。(今回は特別に昼に提供していただきました)

そして気になる「くすしそば」とは?

このまるぜんは「くすしそば」で有名なお店です。

くすしそばとはいったい何かというと、富山は薬売りでよく知られていますが、まるぜんの二代目店主がその薬のイメージを活かせないものかと考案したのが、このくすしそばなのです。

そば粉に生薬を配合するので「臭いが消えない、麺の色がとてもおいしそうに見えない」という難題があったそうで、数百種類もの生薬を試し約4年もの歳月を費やしてこのくすしそばが完成したのだそうです。

くすしそば (ざる) 750円

田舎そばともちょっと違って、若干赤みがかったようにも見えました。

「いうてもちょっと薬っぽいんでしょ!?」

そう思いつつそばの匂いをかいでみると、

あれ?普通だ・・・

薬要素は1ミリもありません。食べてみるとやはり薬っぱさは1ミリもなく、ツルツルっとした口当たりとコシのある歯ごたえがなんとも不思議な感じでした。

そばつゆは香り高く、ちょいと塩味強め。そばつゆもちゃんといただけますよ。

使用される生薬は、左から黄精(ナルコユリの根)、サンザシ(バラの実)、サンヤク(山イモ)、カッコン(クズ末)の4種。

終わりに

経営を受け継いだ西町大喜や、その他数店存在する派生大喜。

「なぜ今の時代に大喜なのか!?」そう疑問に思う人もいることでしょう。

大喜の先代が引退された2000年以降、富山には数多くのラーメン店が出店ししのぎを削っています。

健康志向がより強くなった現代に、塩辛いラーメンの大喜の存在意義とは何なのか。

それはやはり「思い出の味だから」という一言に尽きるのではないでしょうか。

豊富な味のラーメンが楽しめる今と違って、個性あるラーメン(中華そば)が少なかった昭和時代の富山。

大喜のインパクトはきっとすごかったことでしょう。その思い出の味が今でも食べられるということは、その味を食べて育った人には嬉しいものです。

いつもは食べられなくても、たまに食べたくなる。それが富山の大喜の味ではないでしょうか。

古き良き商店街の中にある、そば処まるぜん。

ぼくがこのお店に初めて訪れたのはもうずいぶん前の話ですが、日本酒の会でもおじゃまさせていただいたことがありました。

富大の落語研究会による落語を聞きながら、おいしいそば料理と日本酒に舌鼓。またやってくれないかなあ。

お店の左側にはインスタ映え必至の撮影スポットもあるのん。

こちらのお店では、そば、うどん、ラーメンだけでなく、お酒を飲むにもピッタリのちょっとした一品料理やコース料理も充実していて、一人客でも家族連れても気軽に入れるお店となっています。

駐車場も7台分あるので、ぜひ1度訪れてみませんか?
 
風情ある商店街の中にある老舗のそば屋。いいもんですよ~!
くすしそば本舗 そば処まるぜん
住所:富山県富山市千石町1丁目5-5
電話:076-421-6932
営業時間:
11:30~15:00(L.O.14:45)
18:00~21:00(L.O.20:45)
定休日:第1・3・5日曜日
席数:30
駐車場:7台
※11:30〜15:00は禁煙

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