【ドライブイン入善】地元で人気の昔懐かしいドライブイン

「ドライブイン」

一応英語なのに、なぜこんなに昭和っぽい響きになるのでしょうか。

「ドライブイン」がドライブしつつ、食事や休憩や買い物ができる商業施設にインするという意味ならば、あらゆる商業施設がドライブインに該当するはずですが、今や新たにできる商業施設がドライブインと名乗ることはありません。

まったく嘆かわしいことです。

しかし富山には、今もなおドライブインの名を守り続けるお店が、ぽつりぽつりと存在しています。

今回ご紹介するのは富山県下新川郡入善町にある、ドライブインの伝統を今もなお守り続ける貴重なお店をご紹介させていただきます。

ドライブイン入善

「男なら真っ向ストレート勝負や！」と言わんばかりのド直球な店名に潔さを感じずにはいられません。

そしてお店の住所は「にゅうぜんまちにゅうぜん4488番地」です。

お前は何を言ってるんだ！？と思われるかもしれませんが、正式な住所が「富山県下新川郡 入善町入膳4488」というちょっと紛らわしい町名なんですよね。

お店は8号線沿いにあります。

この看板が見えたらハンドルを切れ！

何の飾りっ気もない店構えですが、これが果たして何のお店なのか、そのそも商業施設であるのかどうかすらわかりづらく、一見客を寄せつけにくい雰囲気に包まれています。

店内はいかにもな雰囲気ですが、お店はけっこう賑わっていて既に多くのお客さんが訪れています。

座席はこの反対側にもあるんですがね。

レースのカーテン、シックな色合いのテーブルとイス、店内に露出した空調。

いきなり昭和風な純喫茶が現れました。

「予約席」と書かれた席もちらほら。

ドライブインで2人席を予約するって、いったいどういう目的なんだろうとつい考えこんでしまいました。

まさかお見合い！？「後はお若いお二人で～」って最初から2人やん！恥ずかしいやん！

まさにトラディショナルな喫茶店風食堂といった感じで、これにあと卓上コイン星座占い器があったら完璧ですね。

なんとなく昔はあったような気がしてなりませんが。

割り箸が実にいい味でてますね。ドライブインニューゼン！カッチョヨス！！

ドライブイン入膳 メニュー一覧

このラインナップの豊富さはまさにドライブインクオリティ。

「食べたいものがなくて路頭に迷わせることはしねえぜ」という店主の意気込みが感じられる充実っぷりですが、魅力的なメニューが多すぎて路頭に迷ってしまいそうです。

ドライブインと聞いて少々不安なのは「味はどうなの？」という点ではないでしょうか。

ドライブイン的なお店はメニューは多いけど、クオリティ的には可もなく不可もなくといったイメージがわりとあるのではないでようか。

オーダーした後は、漫画を読んで静かに待つのがドライブインの作法。

普段なら絶対に手にすることはないであろう漫画を持ってきて、存外にハマって運命の出会いを果たすのもドライブインならば、絶望的に合わなくて神速の流し読み後にスマホを触りだすのもまたドライブインならではといえるでしょう。

ラーメン500円 + カツ丼800円

※価格はすべて税別

まさにドライブインを思わせる食堂系ラーメン。

やたらおいしそうなトンカツをうっすらとした卵でとじています。三つ葉によって彩りも鮮やかに。

ラーメンとカツ丼のセットは、まさにハロー張りネズミのグレ･･･ ではなく(違わないけど)、幸福の黄色いハンカチ高倉健よろしくセット。

スープはあっさり系ではありますが、線は細くも骨格がしっかりしてるので物足りなさは感じません。塩分濃度はやや高め。

麺はやわやわかなと思いきや、これがぷりぷりしていて心地よい食べ味を演出しています。

チャーシューはしっかりいい味が染みこんでいてホロホロのやわらかさ。

その他メンマやネギ渦巻かまぼこなどが入っていて、500円のラーメンからその誠実な仕事っぷりをうかがい知ることができました。

メニューの写真より実物のほうが明らかにおいしそうで、実際味もすこぶる良く、カツの厚みとサクサク感を存分に楽しむことができます。

卵でとじてはいますがガッツリしたとじっぷりではなく、カツの食感や味わいをできるだけ引き立てようという工夫のように思いました。

ボリュームのあるカツの味付けは濃すぎ薄過ぎもせず、ほどよい濃さの味付けがカツの旨さと相まってガツガツと貪り食らうのみ。

ラーメンとカツ丼だなんてヤングのような頼み方をしてしまいましたが、意外とペロッといけちゃいましてよ。

カツカレー800円 + 大盛り200円

連れのJUNさんが注文したのがこちらのカツカレー大。

画像ではちょっと伝わりにくいですが、大盛りが+200円なだけあって皿も大きくてかなりのボリュームがあります。

ちょっと味見させてもらいましたが家庭用カレーのホッとする味を残しつつ、よりスパイシーにグレードアップさせて、大盛りでも食べ飽きなさそうな味になっているように思いました。

実際、JUNさんもおいしそうにペロッと食べきっていました。

ドライブイン入善 まとめ

このお店はいわゆる知ってないとちょっと入りにくい系のお店だと思うのですが、ぼくらがお店に滞在している間にほぼ満席に近い数のお客さんで賑わっていました。

メニューが多いのも魅力だと思いますが、それ以上に各料理のクオリティが高いのが人気の秘密なのかなあと。

食事メニュー以外にもスイーツメニューや居酒屋メニューもあって、幅広い年齢層や用途に対応できる貴重なお店として重宝されているのではないかと思います。

財布を実家に忘れてきたというJUN氏。

それを受け、ポッケの有り金をすべてカツアゲする容赦ないあるのん氏。

逆の見方をすれば、「おうあるのん、お前焼きそばパン買うてこいや」という絵面に見えなくもありません。

一触即発の空気の中、和やかにお店を後にする我々だった･･･

･･･はずが、思いがけず出入り口にラウンジを発見。

常識的に考えれば、中待ち用のイスかな？と思うのですが、でも普通テーブルは置かないような気がするし、待ち用にしては椅子の数も少なすぎる。

これはきっと話し好きの入善町民が会計後にも別れを惜しみ、さらに話し込む用の談話室的な意味合いのスペースなのかなと察しました。

にぎやかで楽しげな店内を眺めつつ、さらに弾むトーク。

ドライブイン入善は、地元入善町民にとても愛されているドライブインなんだなあと感じました。

令和時代のドライブイン、なかなかいいじゃないか！