こんにちは、富山人あるのんです。
昨年8月、富山市鹿島町に素敵な寿司屋さんがオープンしました。今回運良く縁があって「鮨 藤虎」に訪問する機会に恵まれて、るんるん気分♪
予約していたシータクへ颯爽と乗り込み「鹿島町の鮨藤虎まで(キリッ)」と伝えると・・・
「え··· え~っとぉ···」
どうやら道案内のプロもまだご存知なかったご様子。「隠れ家のようなお店」とは聞いていましたが、隠れ家の形容に偽りはなさそうです。
鮨 藤虎
どうやらここらしい・・・
けど、ほんまここなん!?寿司店要素が感じられないけど···
あったー!!お店は2階にあってパッと見なかなかわからない仕様。確かに運さんが知らなくてもしゃーない。
こ、これは・・・・
か、なんちゅー素敵なお店ながけ・・・
このようなな素敵な空間で果たしてどんな寿司が提供されるのか。
店主の石黒幸太郎氏はかつてスペインやロンドンで和食や寿司の腕をふるっていたとのこと。ロンドンでは現地の寿司店で総料理長を務められていたそうで、その腕や経験は折り紙付き。
そして昨年8月、富山市に自身のお店をオープン。「なぜ富山で・・・!?」と不思議に思う部分はあるかもですが、実は大将の石黒さんは富山市新庄にある某老舗寿司店の息子さんとのことで、富山とは縁深き人だったのです。
確かに富山って大自然=美味しいものに囲まれてますからね。富山に帰ってきたくなる気持ちもよくわかろうというもの。
席はカウンターだけでなく奥には個室もあり、2部屋を繋げれば8名まで対応できるとのこと。
メニュー
ちなみにお店は完全予約性で、料理もコースオンリー。コース料理は一名¥16,500(税込)となっていました。(2023年末当時)
日本酒のリストは分かる人が見れば思わずニヤリとくるラインナップ。富山でも特に人気の地酒と県外の地酒がずらりと並んでいます。
富山ではもちろんのこと、全国的にも人気のある勝駒がこれだけ揃ってるお店もそうそうないと思います。
生ビールはマスターズドリーム。めっちゃ好きなやつ~
さあて、いったいどんな料理が出てくるのでしょうかね。
こ、これは・・・!?富山湾の宝石と呼ばれて久しい「白えびの刺し身」でした。素材の甘味と添え物のパリッとした食感が斬新な味わい。
ちなみに下に敷いてある小豆は本物ではないので食べると大変なことになるらしい···
ぼくはぎんなん大好きマンですが、こんな素敵な器にうやうやしく盛られようものなら──・・・より美味しく感じられてしまうではないか!!
このお店はあらゆる部分において店主のこだわりが感じられますが、器に対するこだわりも尋常ではありません。
こちらは香箱ガニですね。カニをここまでするには労力的にかなり手強いですが、こうなってくれていると最高の珍味ですよね。
ホッキ貝、カツオ、そしてブリの刺し身。
気づくとついさっき注いだばかりの日本酒がなぜか蒸発しています。
富山の冬といえばブリもカニも有名だけど、白子ちゃんを忘れるわけには参りません。「白子酢vs白子昆布焼き100年論争」は果たしていつ決着がつくのやら・・・
※そんな論争はありません
こ、これは・・・ アワビ!!!!
ここで告白しますが、ぼくアワビってさほど興味ないんですよね・・・ 特に刺し身なんて高価なわりには硬いだけという感じで、別に嫌いではないけど値段に釣り合ってない的な。
しかしこのアワビは分厚いのにほわっほわに柔らかく絶妙な味付けが施されていて、これはまさに至高の逸品と言わざるを得ません。
おおお!!こ、これはついに・・・!!?
ついに寿司のターンがキターー!!
包丁仕事が活きたアオリイカは歯ごたえもなめらかで格別な味わいです。
この二枚重ねの寿司はもちろんシンコでもフグでもなくマコウダイ。
寿司はすべて提供された段階で味付けがされており、自分で醤油をつけたりしなくていいのはありがたいですね。
甘エビ・・・と見せかけて「きじえび」の握り。きじえびはシマエビとも呼ばれ、他のエビ漁のどさくさで極めて少量だけ穫れるという富山湾でも珍しいエビとのこと。
甘くてねっとりしつつぷりっぷりで真に美味なる味わい。
富山のバイ貝は大きさも美味しさも格別なものがありますよねえ~
太刀魚の塩焼きは風味や食感の良さも素晴らしいのですが、素材の味を引き立てるソースや見た目に楽しませてくれることにも注目せざるをえません。
こ・・・ これは、のどぐろの握り~!!のどぐろは今やメジャーな高級食材ですが、脂がのってほんのり温かく絶品です。
このお店の酢飯はご覧の通りほんのり赤みがかっているのが特徴。寿司のサイズは基本的に「一口で食べやすいサイズ」になっていて女性やご年配の方にも食べやすいサイズです。
そしてその寿司を口に含めば酢飯はパラッとほぐれ、口の中でなめらかに混ざり合って快楽中枢を刺激してくれます。その直後に日本酒を飲もうものなら・・・もうトビまっせ!
これはまた素敵な器が出てきましたよ。
これはなんとも贅沢な茶碗蒸しです。日本酒が揮発していくー!!
自家製のガリや香の物で舌と気分をリフレッシュ。
ぼくカワハギ大好きなんですが特に肝のうまさは格別でして、「魚の価値は値段だけでは決まらない」ということをカワハギさんが教えてくれました。
マグロの中トロと赤身。このお店の料理の魚は富山湾中心で構成されていますが、マグロは東京の豊洲市場から仕入れているという特注品。
中トロの滑らかさとほんのり脂のある感じはさすがの美味しさですが、赤身はこれまでに食べたことがないレベルに旨し!赤身ってこんなに美味しいんだなあ~
コハダもうまし!コハダやシンコって丁寧な仕事が必要なのか、ちゃんとした寿司屋でしか食べられないイメージでありがたみがあります。
どストレートすぎてなかなか見かけないタイプのイクラ寿司。安心してください、ちゃんとついてます。(木のスプーンが)
キラキラとした輝かしいウニの軍艦。見た目から伝わるウニの鮮度すごい。
とろけるように柔らかく味わい深いアナゴの寿司。
いかにも贅沢な寿司たちが怒涛のごとく押し寄せてきましたが、アナゴが出てきたということはこれでラストですよね···!?
···と思ったら〆はかんぴょう巻でした。かんぴょうって一般的には残念ながら軽く見られがちな食材だと思うのですが、実は真面目に仕込むととんでもない手間がかかる一品です。
そのかんぴょうを寿司の最後にもってくるというのはさすがの拘りっぷりというか、心が根っからの寿司人でないとなかなか出来ない組み立てではないかと思います。
さあ、デザートが来ましたよ・・・ と思ったらこれはデザートではありませんでした······
玉子焼きです!!!
まるで三時のおやつのカステーラのようですが、この玉子焼きは火加減が超絶に難しいそうで、なんと弱火で30分もかけて作られるとのこと。
食べてみると確かに味は玉子焼きそのもので、見た目と味のギャップに脳がバグりそうです。
こちらが本当のデザート。自家製ゆずのチーズケーキとシャインマスカット。
これにて完食!どうもごちそうさまでしたー!!
いや~なんていうか、ただ料理やお酒が美味しかったというだけでなく、五感+αを刺激された満足感に満たされています。
料理もお酒の満足感だけでなく、店内の雰囲気やお店の人の温かさもすべてひっくるめて大きな満足感に繋がっているのです。
訪れた時点ではまったくお店の宣伝はしていないとのことで口コミはまだ少なげではありますが、今後はミシュランの星も獲得したりテレビにも取材されたりと、県内外から訪れる有名店になりそうな予感しかありません。
帰りのタクシー召喚に時間がかかりそうということで、自家製一年ものの「カラスミ」をサービスされるという嬉しい不意打ちに見舞われました。
もっとタクシー遅れてくれないかなあ~(*´ω`)なんて不埒なことを考えていましたが、帰りのタクシーの運さんはこのお店を知っていて嬉しく思った次第です。
県外の人が富山でとにかく美味しいものが食べたいとき、とにかく美味しいものが食べたい富山の人、格別な行きつけのお店を見つけたい人、特別な日に美味しいものが食べたいor食べてほしい人がいるなどなど、あらゆるシーンで需要のあるお店です。
ちょっとずつ色々なものが出てきてお腹も気持ちも満足できますので、ぜひぜひ訪れてみていただけたらと思います。
鮨 藤虎
住所:富山市鹿島町1丁目1-15 鹿島ビル2F
電話:070-4309-6010
営業時間:18:00~(完全予約制)
定休日:不定休
完全禁煙
駐車場あり
キャッシュレス決済可
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