屈強な男6人がテラめしに挑む！チーム激安王 in 北野食堂

酒と食とゲームをこよなく愛する集団『チーム激安王』。

「終生育ち盛り」がモットーの我々の前に立ちはだかる難敵「北野食堂」に戦いを挑むべく、北陸3県より集結した屈強な男子6名。

北野食堂のいったい何が難敵なのか。

それは、北野食堂における大盛りサイズがいわゆる「テラめし」にカテゴライズされる食べものなのである。

 

今回の挑戦にあたって、我々の間でルールを設けた。

運命のくじ引き

オーダー被りをなくしたい、そして店ではノータイムでオーダーしたいということもあり、事前にくじ引きをしておくのが賢明と判断。

クジには以下の厳選した9種類のメニューから採用した。

我々の待ち合わせ場所となったゲーセンのテーブルに並べられるクジ。

一同に緊張が走る。

見事イナリ丼を引き当てたMASA。いったいこれがどのような食べものなのか、期待と不安が入り交じる。

それではここで、今回のチャレンジメンバー6名の紹介をさせていただこう。

元祖やる気勢 T井

我々の中では一番のテラめしやる気勢。

しかし必ずしも“やる気＝実力”とは言えないのがこの世界の厳しいところだ。

1年前に行われたゴールドカレーチャレンジでは、2kgものカレーを目の前にして｢これなら全然いける！(ゴーゴーカレーの)ワールドチャンピオンより少なめだし、全然いけますよ！｣と頼もしい言葉を発しておきながら、｢あの、これご飯の量多くないですか？｣と恥ずかしげもなく店員に言い放ったビッグマウスT井。

ゴールドカレーチャレンジでは全員が失敗し、枕を涙で濡らす日々が続いた

今回はどんな戦いっぷりを見せてくれるのか注目しよう。

テイクアウト界のホープ タマイ

以前、富山での飲み会で余った毛ガニを自宅のある羽咋市までテイクアウトし、またあるときは誰も手がつけようもなかった1羽丸ごとのカモをテイクアウトしたこともある。

経験もないのに自宅で見事に1羽を捌ききったテイクアウト界のホープタマイ。

この北野食堂ではタッパを持参すれば、食べきれなかったものを持ち帰れるという。

彼が今回の挑戦に失敗し、余りをタッパに詰めて見事テイクアウトする羽目になるのか注目しよう。

なお、合コンのテイクアウトに成功したことはないもよう。

デビリバ使い こ～う2号

 

なんかガラ悪い

 

ちなみに1年ほど前のこ～う氏の画像がこちら。

 

 

もっとガラ悪い

 

どのくらいガラ悪いのかというと、ぼくがプレイしている某オンラインゲームのフレンドにこの画像を使用した記事を見られてしまい、「あんな人と交流があるなんて、あるのんとの付き合いも考えなきゃ」と言われてしまったほどである。

こ～う2号は食べたものを自在にリバースできるギフト「デビルリバース」(甦る食欲)を天から授かっているが、ダイエットに成功した彼が果たしてこのギフトなしに攻略しきれるのかも見どころのひとつだ。

誇り高きアル中戦士 MASA

彼は小学生の頃から、落ちている酒瓶を見つけては酔っぱらうふりをする「ロベルト本郷ごっこ」を嗜んでいたという酒飲み界の神童であった。

しかし「神童も大人になればただの人」とよく言われるように、彼も今や普通の大人になってしまったのだろうか。

ではここで、チーム激安王のLINEグループを覗いてみよう。

 

これほど見事に神童から天才へと昇華した例をぼくは知らない。

MASAの意識低い酒飲みとしての意識の高さは当代並ぶものなしと、ぼくの中でささやかれている。

北陸ではまだ冷え込む日もある昨今であるが、彼の手の震えが寒さによるものなのかアルコールが切れたことによるものなのか、素人には判別できないのが悩ましいところだ。

真の実力派 ガッつ

まさに痩せの大食いを体現したような男。

飲み屋のハシゴや〆のラーメンを絶対に断らない男ガッつ。

皆がもう腹一杯で食べれなくなっても涼しい顔して食べ続けるし、店を出て皆腹いっぱいで動けないというのに「あ、俺ラーメン食ってきます」と提灯の灯る闇へ消えていく。

北野食堂は彼のパフォーマンスを存分に引き出せるのか注目したい。

紳士ブロガー あるのん

自分だけ安全なアイコンからコンニチワ！！

大食いに関しては20年ほど前にココイチの1.5kgカレーに挑戦して見事惨敗した実績を持つほどのフードファイター。

現在は酒量、こだわる酒の質、食べる量、どれもが平均値を上回るユーティリティプレイヤーとして活躍中。

ネットで北野食堂の大盛り画像を見て正直ちょっとビビっている。

 

 

さあ、各々のメニューも決まったところで、いよいよ北野食堂を目指して出発だ。

 

店主よ、白米を多めに用意しておくがいい。

北野食堂のある石川県白山市へ

霊峰白山のお膝元、閑静な住宅街の一角にそのお店はあった。のれんがなければとても飲食店には見えない店構え。

こういうお店は得てして「大当たりか大外れかのどちらか」と言われがちだが、これまでの経験からすると大当たりということは稀かもしれない。

北野食堂は果たしてどうであろうか。

T井を筆頭に、さっそうと肩でのれんを切っていく我々。

事前にメンバーに訊いてみたところ、このお店に来たことがあるのはT井のみであった。

そこでT井に実際このお店のボリュームはどうなのか、食べきれるものなのかどうかを訪ねてみた。

 

T井「まあぶっちゃけ、全然大したことないです。そのときはカツ丼大盛りでしたが、ゴールドカレーに比べたらもう全然余裕ですよ。」

 

おおお……

 

実は正直、大盛りしばりをやめようか最後まで悩んでいたのだが、この頼もしいT井のセリフに背中を押してもらえたことはありがたかった。

さすが経験者のことばは重みが違う。

まるで大船に乗せてもらったかのような安心感を得て、いよいよ大盛りしばりを決行する決心が固まったのであった。

決戦前の静寂のひととき。

これから始まるであろうハードな戦いを前に、皆どこか落ちつかない様子。

 

厨房から聞こえてきた「はーい、カツど～ん！」の声。

 

さあ、いよいよ戦いの火蓋は切られた！！

タマイ カツ丼大 1,000円

こ、これが噂の霊峰白山盛りか…。

店内に我々のどよめきとスマホのシャッター音が響きわたる。

あるのん 他人丼大 950円

この頂こそ、立山連峰盛りと呼ぶにふさわしい。

T井 カツカレー大 1,000円

これは東尋坊盛りといったところか。

尋常ならざるボリュームではあるものの、ゴールドカレー2kgよりは明らかに軽い。

自信満々のT井であれば難なく食べきるであろう。

こ～う2号 オムライス大 920円

赤いものは彼が喧嘩で浴びた返り血か？いや、ケチャップだ。

頼む、頼むからデビリバだけはやめてくれよ。

MASA イナリ丼 680円

このイナリ丼は想像してたものよりも遥かにおいしそうである。

ここに告白するが、実はMASAだけが大盛りではなく普通盛りである。これにはちゃんとわけがある。

そのわけとは、MASAがおもむろにテーブルに並べだしたものをご覧いただこう。

どうやらこの薬は胃腸薬とのこと。

この仰々しさから「アルコールが切れたときに飲む薬かと思った」とはあるのん談であるが、実はこのときMASAは胃腸を悪くしていたのである。

医者から「辛いもの、大食い、お酒、このどれかをやめなさい」と言われ、

 

 

「先生、酒だけは無理です」

 

 

と、迷いなく言い切ったその瞳は澄みきっていた。

そんな誇り高きアル中戦士として、さらなる高みを目指す彼のどうして邪魔ができようか。

MASAの名誉のために補足させていただいた。

ガッつ カツ定食 1,400円

カツ定食が運ばれてくると、他の客からもどよめきが起こった。

BIGなカツが2枚！！

爆米ッッッ！！！！

今日びマンガでも見ないご飯の盛りに圧倒される我々。

まさに実力派ガッつにふさわしい盛りで、彼がどう戦ってくのかじっくり見守りたい……といいたいところだが、我々にそのような暇はない。

眼前に立ち塞ぐテラめしを前に、我々はただ無我夢中に食べていくのみだ。

皆しばし無言のまま、すさまじい勢いでがっついていく。

カツ丼や他人丼は山を崩さないよう慎重に頂きから食べていくわけであるが、一見無意味にしか見えなかったフタが見事に非武装地帯として機能する。

この他人丼だが、具も飯も相当に汁気が多いので、意外とサクサク食べ進めることができる。

味もしっかりだしの味があるので、これなら最後まで飽きずに食べられそうだ。

おそらくカツ丼も同じだろう。タマイの勢いも止まらない。

そして、こ～う2号のオムライスをよく見てみると、驚くべき事実が発覚した。

オムライスの断面をご覧いただこう。

なんと、中身はチャーハンである。味見させてもらったところ、立派にチャーハンの味であった。

和洋中が混在し、途中から何を食べているのかわからなくなりそうな混沌としてカオスなオムライスだ。

それにしてもこの断面を見るに、彼は外見とは裏腹に意外と几帳面な性格なのかもしれない。

 

イナリ丼のMASAも快調なペースを保っている。彼だけ普通盛りなのだから、いくら胃腸が悪くてもこれを食べきれないことはないだろう。

とはいえ、後半はそれなりにきつそうだ。

イナリ丼を味見させてもらったところ、ほんのり甘めのだしに味がしみこんだイナリがなんともほっこりする味となっている。

これなら二日酔いの後でも食べられそうだ。

さすがは万年二日酔い戦士MASA。運を力ずくでもぎ取ったとはこのことだろう。

 

では次に、強キャラガッつの動向を見てみよう。

カツ1枚食べ終えた時点で、まだあんなに飯を残している。ペース配分は大丈夫か！？

とはいえ、なんとなく察しはつく。トンカツは確かにご飯と合う。

がしかし、トンカツ一切れでそう多くのご飯を食べられるものではない。

ソースを多めにつけて、カツをチビチビ食べる作戦で行くしかないような気はする。

残りのカツが1～2きれの時点で、まだそれなりの飯が残っている。まあ彼ならば誤差の範囲内であろう。

 

この時点でタマイ、MASA、あるのん、そしてこ～う2号も続いて完食。

 

では次に、T井の様子を見てみよう。カツカレーも尋常ならざる量ではあるが、彼ならばもう余裕で食べお

 

あれっ…！？

 

 

ちょ、T井さん！？

 

 

完全に手が止まってしまっている。どこか具合でも悪いのだろうか。

 

 

 

T井「昨日の忘年会で食べたものがまだ消化されてなかったかも…」

 

 

T井のギフト、「エクスキューズダイナミック」(華麗なる土下座)が炸裂した。

 

 

 

なんと、あろうことかこの態度！！

 

「もう一口も食わんもんね～」とでもいいたげなオーラを全身から発している。

 

とても同じ釜の飯を食った仲間とは思いたくないこの態度に、我々はまた深い絶望を与えられたのであった。

 

すると、誰かが言った。

 

「T井さん、ごちそうさまです！」

 

そう、残したら奢らなくてはいけないのだ。

突然スイッチが入ったT井。

この往生際の悪さもまた一流。もしこれがぼくだったなら、恥ずかしさのあまり東尋坊からダイブするかもしれない。

テラめし界のタイタニックこと、我々のビッグマウスT井は今日も健在だ！！

 

ということでT井、ギリギリ完食！！ﾁｯ

いよいよ飯も食べきったガッつ。

残すはサラダのみ。彼にとって野菜などデザートにすぎない。

見よ！このキャベツの千切り一本すら残さない心意気を！

うっかりカツに使わなかったレモンをサラダに使用してきっちり使い切るなど、まったくどこぞのなんちゃってテラめし野郎にゴールドカレーの2kgを煎じて胃袋に流し込みたい気持ちでいっぱいである。

 

今回のテラめしチャレンジは、我々の大勝利という結果で幕が下りた。

 

我々を乗せた車のガラスはほんのりしめっぽく、そして踏み込むアクセルはやんわり重たく感じるのであった。

 

チーム激安王の挑戦は終わらない。

 

to be continued.