【黒部ルートまとめ】黒部峡谷~黒部ダム間が2024年に一般開放!

こんにちは、富山人あるのん@_arnon_です。

今月17日、東京で開かれた協定の締結式において、富山県と関西電力による協定書が取り交わされました。

これによって、黒部峡谷と黒部ダムを結ぶ「黒部ルート」が一般開放されることとなります。

関西電力 黒部ルート

通常、黒部ダムに行くためには長野県側からは「立山黒部アルペンルート」の通称「長野ルート」を、富山県側からは「立山ルート」を利用することになります。

長野県側からは路線バス→トロリーバス、富山県側からは立山ケーブルカー→高原バス→立山トンネルトロリーバス→立山ロープウェイ→黒部ケーブルカーと乗り継いでいくというこの壮大な観光ルートは、年間90万人以上が利用する観光地として国内外から多くの観光客が訪れる人気の観光地です。

※トロリーバスは2019年度からは電気バスになります

黒部ダムへと向かうルートですが、実は立山黒部アルペンルート以外にも存在するのです。


黒部ダムの観光放水

黒部ルート見学会

温泉街で有名な宇奈月町には、黒部峡谷を走り抜けるトロッコ電車があります。

このトロッコ電車は始発の宇奈月駅から、黒薙(くろなぎ)、鐘釣(かねつり)、欅平(欅平)まで全長20.1kmを進み、手軽に黒部峡谷の深く雄大な大自然を肌で感じられる観光として人気があります。

この終点の欅平から、黒部ダムに続くルートが存在しているのですが、この路線は関西電力が工事専用軌道として整備したもので、一般には開放されていません。

一般に開放されてはいませんが、現在「黒部ルート見学会」として抽選によってこの貴重な黒部ルートを体験することが可能となっています。

この黒部ルート見学会には、年間2,040名が参加しているとのこと。

  • 料金は無料で、開催は平日のみ
  • 6月から11月の間に週1~2日
  • 1日2便で各便30名(欅平出発コース、黒部ダム出発コース)
  • 34日×2便×30名=2,040名

黒部ルート見学会案内ページ(H30年度は終了)


画像出典:関西電力

往復は受け付けてないので、片道のみの利用になります。

つまり往路のどちらかで立山黒部アルペンルートを利用することになりますが、宇奈月駅と立山駅はとんでもなく離れているし、黒部ダム出発コースは10:30出発なので泊まり前提なので、利用するにはそれなりの準備と覚悟は必要かと思います。

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2024年度に黒部ルート一般開放


画像出典:富山県

2024年度にこの黒部ルートが観光商品として開放される見通しとなりました。

関電は当初「落盤対策に50億円以上、3~5年の工事期間がいる」と難色を示したものの、旅行会社が添乗員や保険代を、県が旅行案内板の設置などを担うということで、費用面などの折り合いがついたとのこと。

欅平駅から黒部ダムまで約18kmの区間は、2024年(2023年度)までに安全対策工事が実施されます。

この工事期間中も黒部ルート見学会は行われるとのことですが、2024年度に観光商品として販売された後はこの黒部ルート見学会は廃止されます。

この黒部ルートですが、黒部ダムまでトロッコ一発で行けるわけではなくて竪坑エレベーター→バッテリートロッコ→インクライン→黒部トンネル内専用バスを乗り継いでいきます。

※インクライン=地下ケーブルカー

 

竪坑エレベーター

画像引用:富山県

山の中というか工事作業現場のような風景の中を進んでいくわけですが、この黒部ルートも建設時には困難を極めたとのことです。

摂氏160度もの岩盤温度によって、ダイナマイトが自然発火するという地獄絵図のような事故が幾度も発生したということで、吉村昭の長編ノンフィクション小説「高熱隧道」(こうねつずいどう)でも克明に描かれています。

 

高熱隧道

画像引用:富山県

黒部ルート(関電専用ルート)

画像引用:富山県

黒部ルート一般開放について現在わかっていること

  1. 2023年度までに地下トンネルの落盤防止や避難経路の確保などの安全対策工事を実施
  2. 24年度からは富山県が選定した旅行会社などが観光ルートとして発売する
  3. 料金は今後県や関西電力が今後協議する
  4. 一般開放は6月~10月までの期間で8000人、年間で最大1万人の規模を予定
  5. 安全対策の工事中も見学会は実施(土日も実施)
  6. 2024年以降、黒部ルート見学会は廃止

ここでのポイントは、②の「富山県が選定した旅行会社などが観光ルートとして発売する」でしょうか。

開放された黒部ルートは、選定された旅行代理店の商品として販売されるようなので、立山黒部アルペンルートやトロッコ電車のように単独でふらっと利用できるのかどうかが気になるところです。

まとめ

黒部ルート見学会の公募枠の倍率が毎年高く人気があることから、富山県は立山黒部を「世界ブランド化」につなげようと関西電力に働きかけてきました。

一般開放に関わる協議が本格化したのは2017年3月のこと。

黒部ダムとトロッコ電車は富山観光の王と飛車のような存在なので、いよいよ聖域が開かれるのかと思うと胸熱です。

2024年までまだ6年ほどありますが、これからどう話が煮詰まっていくのか、どう整備されていくのか注目していきたいと思います。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 室堂から黒部ダムまで歩いて行ったことがあります。
    特に見どころもなく、遠いだけでした。
    帰りのトロリーは1日の努力を嘲笑うかのような所要時間でした。

    • 少々さん、こんにちは。
      室堂から黒部ダムって歩いていけるものなんですね。恥ずかしながら知りませんでした。
      あの秘境の中を歩いていくというのは、乗り物を乗り継いでいく光景とはまた全然違うのでしょうね。
      道中の景色のイメージが湧きにくいのですが、良くも悪くも貴重な体験であることは間違いありませんね。

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