純喫茶ローレンスへ純紳士あるのんが行ってみた結果

ボンジュール コマン タレ ヴ

ん、こんな世の中に意味はあるのかって?ハハッ、キミは面白いことを聞くね。この世に意味のないことなどないんだよ。

ああ、すまない。つい溢れる紳士力がこぼれてしまったようだ。

ある土曜の昼下がり、食欲を満たしたばかりのぼくととるきち氏の富山純紳士2名は、エレガントに茶をしばくべく金沢随一の繁華街といわれる片町へと繰り出した。


金沢市 片町

我々の目指す店が見えてきた。

この純喫茶ローレンスは、昨年に開店50周年を迎えた老舗の喫茶店。作家の五木寛之氏があしげく通いつめ、創作活動に打ち込んだお店としても有名。

“純喫茶”とは酒類を伴わない純粋な喫茶店という意味である。かつては喫茶店といえば、接客係の女性がホステスとなって酒をサービスする現代のキャバクラのような業種であり、それと区別するために“純喫茶”と呼ぶようになったという。

喫茶に“純”が付いただけで、昭和へのタイムスリップ気分に浸れる不思議なワードだ。

階段を一段一段上がるごとに、時間が巻き戻っていくかのような感覚に包まれる。

我々はいよいよ秘密の花園へと足を踏み入れる。

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店内を覆い尽くすドライフラワーに圧倒される。生命感がありつつも退廃的であり、まるで童話の世界へ飛ばされた主人公のような気分になる。

「いらっしゃいませ」

マダムの声で現実に引き戻された。

我々が通された席は一番奥の窓際だ。テーブルには「RESERVED」の卓上プレートが設置されている。「喫茶店で予約席!?」と少々困惑したが、実はこれには重大な意味が隠されていたことは後で知ることとなる。

メニューを持って我々の方へ近づいてきたマダム。さあメニューを受け取ろうというとき、マダムは我々の隣の席に座っていた紳士に話しかけた。

マダム「あなた先ほど、今私が幸せかってお聞きしましたよね。今ものすごく幸せかと言われるとそうではないと思いますが、では幸せではないのかと言われるとそうでもありません」。

なんと、突然人生の幸せについて語りはじめた。

マダム「私はお医者さんにこのお店をやっているのも反対されていて、やめなさいと言われています」。

メニューはもう目の前にあるのに、なかなか手渡してもらえないもどかしさ。しかしこの渡してもらえないことにもちゃんと意味がある。

マダム「だからと言ってやめるつもりはないですが ~中略~ あなた先ほど、わたしに幸せか訪ねたわよね。あなたはどうなの?あなたは今幸せですか?」

隣の紳士「ええ、悪くはないですね」

マダム「悪くはないということは…」

富山の純紳士2人、完全に置いてけぼり。これが純喫茶ローレンスかよ……。

地元では負け無しの紳士力に慢心していた我々。リトルリーグで無失点優勝した負け知らずのバッテリーが、いきなりメジャーリーグに放り込まれたような圧倒的絶望感。

我々2名が敗北感を噛み締めていると会話も一段落ついたようで、いよいよマダムよりメニューの説明を受ける。

メニューの右下の部分を手で覆い、「ここは出来ないから、他は大丈夫。あ、ここも出来ないかな」ということで、出来ないものがけっこうあるらしい。

純和風のあるのんとしては「日本語のメニューちゃないがけ?」と聞きたいところだが、英国紳士に憧れるものとして英語は少々わからなくもない。

スペシャルホットコーヒー(450円)を2つオーダー。

このお店はフードメニューというものがなく、サービスでお菓子が付いてくる程度。まさに純純喫茶といった趣である。

故に、コーヒーがこのようなサイズになるのも必然なのかもしれない。

更にいうと砂糖やミルクなるものも付いてこない。純純純喫茶ローレンスここに極まれり。

そして我々のファッションセンス。富山ではそこそこイケてたつもりの我々も、ここ片町では周回遅れ感が否めない。しかしここローレンスでは妙にマッチしていると言えなくもない。

店内に舞う淡雪

我々はヒーコーをみーのーしながら、世界の平和について語ろうとしていると、目の前に淡雪がひらひらと舞い落ちてきたのである。

「え、雪!?」

言うまでもなく店内は閉じられた空間だ。雪など降ろうはずもない。もちろん窓も開いてはいない。がしかし、先ほどからどう見ても雪が降っているのである。

よく観察していると、我々のテーブル周辺でのみ結構な頻度で雪がちらついていた。

天より舞い降りし純白の天使たちから贈られる、甘いフレンチキス。

店内に雪が降る趣向のある喫茶店など、世界を見渡して他のどこにあろうか。

この淡雪の正体は、老朽化した天井から降り注ぐものと思われる。RESERVEDのプレートの意味がここでわかった気がした。

しかしそんなことはどうでもいい。思わぬ淡雪のプレゼントに心踊らせながら、楽しい会話に花を咲かせようではないか。

まとめ

この世界観、奥深さ、マダムのキャラはまさに唯一無二。この独自の世界観を心から楽しむには、我々にはまだまだ紳士力が足りなかったようだ。

いつの日かのリベンジを心に秘めながら、我々はローレンスを後にした。

人も、時も、空間も、我々の常識の外側から包み込むような、純喫茶ローレンスはそんな特別な場所。説明はきわめて難しい。

これまで行ったことがない人、興味があるという人はぜひ訪れてみるべきだと思う。

とるきち「あるのんさん、さっきすごい目でコーヒー眺めてましたよね。ああ、カップに入りそうなんだなと思って吹きそうになりましたわw」

ええい、いらんこと言われんなま///

純喫茶ローレンス
住所:石川県金沢市片町2-8-18
電話:076-231-1007
営業時間:14:00~19:00
定休日:無休

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コメント

  1. ちゃりおっと より:

    その雪、アスベストじゃね?

    • あるのん より:

      んなわけないじゃないですか。
      雪ですよ雪。
      我々は年令を重ねることで既成観念を手に入れました。
      しかし残念かな、心の眼鏡は曇らせてしまったようですね。
      ピュアな紳士には雪にしか見えないはずです。

      • ちゃりおっと より:

        さーせんm(__)m
        とるきち先生のおっしゃるように、明日BESTなのかもしれませんね。
        一度行って、ママの小粋なトークとセッションしてみたいものです。
        「外国人みたい( ´艸`)」と笑われるぼくのラテンノリが噛み合うかも・・・なんちて

  2. タカキ より:

    前から念願だったローレンスに行けてよかったですね^ ^
    個人的には違う視点で読んで面白い記事でしたw

    • あるのん より:

      密かに3度めですからねw
      違う視点の意味がさっぱりわかりませんが、
      楽しんでいただけたようで何よりです^^

      ネタを提供してくれたN村さんありがとうございます。
      この場を借りてお礼申し上げますw

  3. とるきち より:

    あの時のお顔はあの日のベストショットでしたね^ ^
    あの粉雪はきっと明日からの活力にもなるであろう明日Bestなのかも知れません^ ^

    • あるのん より:

      そう?ぼくは余裕かつ優雅な面構えだったと思ってるんですがね^^
      お互いこれ以上活力みなぎったら命に別状あるかもしれません…

  4. みかじろ より:

    純喫茶ってだけで心が躍るワードですな。
    大阪にも有名な純喫茶がありますが、ホント古い喫茶店は心が落ち着いて良い感じになるんですよねぇ。

    ただ、ゲーマーな俺は何故かジャンピュータの曲が勝手に脳内で再生されます…。

    • あるのん より:

      ぼく的には純じゃないほうの喫茶店も気になるところですが…w

      ジャンピュータ!!
      あのやたら音のでかいジャンピュータ!
      関係ないけどローレンスの横には昔プレイシティキャロットがありましたw

  5. N より:

    楽しく拝読いたしました!
    記事まってましたー!

    私たちはがっちりマダムトークにひきこまれ、それ以降怖気付いて足が向きません。
    あの世界観を楽しむには人間力がたりませんね。もう少し大人になったらリベンジしようかな?

    • あるのん より:

      ああっ、Nさん!w
      コメントありです~(゚∀゚)そしてネタ提供もありがとです。
      初来店で既にそんな感じなんですか!
      隣の紳士が我々の防波堤となってくれたのかもしれませんねw
      確かにあのお店を心から楽しむには、もう一皮剥けないと厳しいのかもしれません。
      いつかのリベンジに向けて、紳士力の向上に努めたい所存であります!