いよいよ秋本番。
収穫の秋、実りの秋、食欲の秋、ひやおろしの秋、厳しい冬をのりきるための食いだめの秋など、常に食うか飲むかの2択野郎、富山人あるのん@_arnon_です。
ビールから日本酒へのシフトチェンジはお済みでしょうか。
先日友人宅で酒を飲んでいたところ、「スピリタスをちゃんと味わうとうまくね?」と明らかにアクセルとブレーキを踏み間違えた輩もいたりして、試しにストレートで舐めてみたところ、「うん、まあ言いたいことはわからんでもないけど、痛い」というのがやっとでした。
※スピリタス=アルコール度数なんと96%のウォッカ
ということで今回は地酒のラインナップは高岡イチと呼び声の高い、居酒屋「酒蔵盛盛」へ行ってまいりました。
居酒屋「酒蔵盛盛」
北陸3県から選りすぐった地酒が、純米酒~大吟醸まで常時100種類あるという抜群のラインナップを誇るお店なのです。
落ち着いた雰囲気の店内。日本酒好きであれば、冷蔵庫に入っている大量の日本酒に視線が釘付けになること請け合いです。
地酒のメニューを見て思ったのが、その種類の多さもさることながら価格が良心的だな~と。純米とか吟醸って普通700円とか800円とかするじゃないですか。こちらのお店では500円からということで、安心して色々試してみることができますね。
そしてこのメニュー。
この大量のひやおろし推し!!
いっぱいありすぎて何にしようか迷いましたが、以前飲んでおいしかった蔵から「黒部峡 林 純米吟醸 五百万石」と、富山市ではまず飲めないだろうという石川の「御所泉 銀の月」のひやおろしをいただきました。確かに御所泉とか初めて知ったよ。
「ひやおろし」ってなあに?(読み飛ばし可)
秋になるとスーパーや酒屋に並ぶ「ひやおろし」というラベルの貼られたお酒。ひやおろしとは何を意味するのでしょうか。
通常、清酒は造った直後に火入れ殺菌をしてタンクで熟成させます。そのまま夏を越して出荷前にもう1度火入れを行いますが、ひやおろしとはこの2度目の火入れ前の状態のものをいいます。つまり、2回火入れするうち最初の1回だけ行って、ひと夏熟成させたものをそのまま出荷するんですね。
お酒が出来上がって火入れをしないものが「生酒」ですが、生酒の魅力はなんといってもそもフレッシュな味わいにあります。しかし、そのまま熟成させると味が変化しやすいんですね。なので生酒として出荷するもの以外は火入れしますが、火入れした直後も酒質は安定していません。ざわついた感じといいますか。
なので、熟成させることで味を落ち着かせることができるんですね。2度目の火入れ前なので、いい感じに旨味がのってきます。素人目にはこのままでもいいんじゃないかと思いますが、そこからさらに酒質を安定させるために2度めの火入れを行うのです。
フードメニューもいろいろ
さすが酒飲みの心を知り尽くしたかのようなメニューばかり。
◆酔い助セット 600円
ワタ入り丸干しイカが強キャラすぎますわ。
◆蓮根まんじゅう 500円
ほおお…?
おおお、なんてお上品な味わいなんざましょ。出汁がおいしい。
◆黒龍 吟醸 ひやおろし
黒竜や梵って福井を代表する銘酒ですが、これらが富山で置いてあるお店ってそうないと思います。いやあ、これはいいものだ。そうそう、日本酒を飲むときは水も忘れないように飲まなきゃね。これで翌日の目覚めが変わる。
◆北海道 本ししゃも
「スーパーなどに売ってるししゃもは、本来のししゃもとは種類が違うもの」というのはわりと有名な話だと思いますが、北海道の本ししゃもなんてこっちじゃちょっと買えません。この立派な身を見よ!
しかもこれぜんぶオス。ししゃもって卵のあるメスのほうが人気ですが、本ししゃものオスって脂ものってて身がほろほろっと柔らかくその味わいを十分に堪能でることから、通好みの味なんですよ、うんうん。(メスも食べたい…)
◆遊穗 やまおろし純米
これも初めて飲む石川のお酒。やまおろしですよ。やまおろしとは即ち山廃のこと。
「山廃」ってなあに?(読み飛ばし可)
今までに多分10回以上は人から聞かれた「やまはいって何け?」という質問。最初はまずこう答えます。
「山廃ってね、山で廃人になったある人がなんとか回復して、その山小屋で醸してみたお酒がとても良…」
嘘っす!!
日本酒を醸すには強力な発酵が必要となってくるため、強力な発酵を促すためのもととなる麹・米・水・酵母・乳酸菌を加え培養したもので、これを酒母や酛(もと)といいます。
酒母に入る乳酸菌は雑菌を抑えるための重要なものですが、この乳酸菌には大別して2種類に分かれます。
速醸酛:市販の乳酸菌をぱぱっと添加する。世の中のほとんどの清酒がこの速醸酛で醸されています。
生酛:蔵や自然界に存在する乳酸菌を取り込み、さらなる乳酸菌を生成するという昔ながらの手法。櫂(かい)でタンク内の米をすり潰す工程があり、大変に手間のかかるやり方なのです。
この櫂ですり潰す工程を「山卸し」といいますが、この山卸しの工程を廃止したものが「山卸し廃止酛」、略して「山廃」となるのです。現代は精米や発酵の技術の発展により、山卸しをしなくても問題なくいいお酒を醸すことができるようになったのです。
そこで気になるのが、じゃあ速醸酛より手間のかかる山廃や生酛はうまいの?ということですよね。
うまいまずいの問題ではなく個性です。クセのある料理と合わせたり熱燗にしてみたり、山廃や生酛にはまたそれぞれの楽しみ方があるのです。
山廃や生酛は速醸酛に比べて、より豊富なアミノ酸の作用で濃醇な味わいとなります。酸味がどっしりとした感じ。菊姫や天狗舞の山廃純米とか飲むとその個性がわかっていただけるのではないかと思います。
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生酛もその数は少ないながら、現在でも造っている蔵はあります。
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まとめ
山廃といっても必ずしもどっしりとした味わいではありません。今回飲んだ遊穗やまおろし純米は、山廃ということに気づかないくらいに飲みやすくておいしいお酒でした。
そしてこのお店、居酒屋というカテゴリーに収まらず日本酒バーという肩書もあるからか、ひとりでやってくるお客さんも多いっぽいです。このときは若い自営業風、年配の紳士、妙齢のご婦人などを見かけることができました。確かにこのお店ならひとりでも楽しむことができるでしょう。
そしてスタッフの皆さんが日本酒に詳しかった。「日本酒は好きだけど、何を飲んでいいのかわからない」という場合はバシバシ聞いてみたらいいと思いますよ。銘柄の多くを知っていながら決められない日本人代表あるのんも、バッチシ頼らせていただきました!ドヤアァッ
秋の夜長に、旨い酒と肴でゆっくり杯をかたむけるのもいいものです。北陸の銘酒があなたが来るのを待っていますよ。
居酒屋「酒蔵盛盛」
住所:富山県高岡市御旅屋町1216 VAMOSビル1F
電話:0766-75-1118
営業時間:17:00~23:00
定休日:火曜日
コメント
コメント一覧 (2件)
ちゃまは日本酒飲んでも酔っぱらいにならないのん?
あっしは日本酒飲むと味がわからなくなって(水みたいになる)
どんどん飲んで記憶をなくすとゆう・・・日本酒マジックにかかるのんwwwナンデ?
私ゎ~女子だからぁ~危ないじゃん!だから禁止されてるのん
でも甘いのが好き!!ゴクゴク◇o^ )プハ~(^o^)□バタッ!ミ(o_ _)o◇
ちゃんと酔っ払うのんw
飲んでもそう変わらないけどね。
日本酒は調子こくとやばいよね(^-^;)
「水みたい」って、酒で失敗する決め台詞やないかい…w
女子は危ないね!介抱されちゃううううう(*´ω`*)モンモン
でも女子で日本酒ガンガンいけるのもかっこいいのんw