こんにちは、富山人あるのんです。
高山へ観光に行ったときのこと。何気なく入った蕎麦屋で大きな衝撃を受けましたので、今回記事にしたいと思います。
その場所は多くの観光客で賑わう、古い町並みからほど近い場所にあります。

メインストリートからちょっと外れるだけで人もまばらになりますが、このトラディショナルで激シブな『THE 日本の蕎麦屋』な雰囲気がたまらんですね。
なんなら昭和からやってそうでもありますが、実はこのお店、オープンしてから今年で11年目になるようです。
それにしてもこのお店、『手打ちそば』の文字が4ヶ所ほど確認できますが、肝心の店舗名はどこに・・・
しばしお店を眺めていると——

お・・・!?

おおっ・・・!!!?

おおお、ここにも!!
めん処ながせ

蕎麦メニューだけでなく、うどんもあるんですね。

外観を裏切らない『蕎麦屋ってこうあるべきだよね』を体現したような内装。
この店舗は元々は『手打ちそば 恵比寿 西店』だったそうですが、恵比寿で25年ほど修行された店主が独立して始められたお店のようです。
メニュー

天ぷらをつけたいところですが、今回はやめておきましょう。
「それはもちろん蕎麦に集中したいから」と言いたいところですが、もちろん食べ歩きの真っ只中であるからに他なりません。
となれば、自分の心は一つです。

はい、もりそば。
朴葉に乗ってるのがいかにも高山って感じでいいですねえ。

一瞬「更科?・・・じゃあないか」と勘違いしそうな淡い色合いと細さ。
いざ食べようとすると——「めかぶ塩で食べても美味しいですよ」とお店の人に言われました。
「めかぶ・・・しお!?」
めかぶ塩だなんて聞いたことないけど、何やら面白そうですね。
めかぶ塩
いきなりですけど、皆さん普段塩で蕎麦を食べますか!?
こだわってる系の蕎麦専門店には大抵塩が置いてありますよね。
ぼくはいつもまず香りを嗅いで、蕎麦だけで少し味見して、次に軽く塩をつけて、最後につゆをつけて、中盤から薬味を——とまるで儀式のようなルーティーンでいただきますが、塩ってぶっちゃけどうなのかなあと疑問には思っている部分でした。
蕎麦に塩って軽く振っただけでも結構尖った味になると思うんですよね。
「なら塩で食べなきゃいいじゃん」と思われるでしょうが、おっさんは長年やってきたことをそう変えられんのじゃい!
ということで、蕎麦だけからのめかぶ塩でいただいてみた結果——

めっちゃいい!!
指すような塩味はなく、とてもまろやかで旨味も感じられ、この蕎麦にとってもよく合うじゃないですか!
塩はいつも儀式でちょろっと試す程度ですが、この塩ならこれだけで食べ進められます。むちゃくちゃうまい!
蕎麦つゆの存在を忘れることしばし。塩で美味しいだなんて初めての感動体験でした。
とはいえ蕎麦つゆもしっかりあるので、もちろんそばつゆでもいただきますよ。
蕎麦は風味としっかりとコシがあり、そばつゆも濃すぎず薄すぎず、この蕎麦を引き立てる程よい香りが口の中に広がっていきます。
これもうまい!しばし蕎麦つゆでいただきつつ、たまにめかぶ塩でもいただいてみたり。
う~ん、これは楽しいぞ!かつてない蕎麦体験がもうすぐ終わろうとしていたその時、ぼくの眼前に新たな衝撃が訪れました。
そば湯

な、なんじゃこりゃあ!!!?
そば湯があまりにドロドロすぎる。

/ ま、まざらねえ・・・ \
そば湯とは文字通り蕎麦を茹でたときのお湯ですが、これはもはやそば湯というよりは、ほぼ蕎麦そのもの。

/ かたまってる・・・ \
話を伺ってみると店主は蕎麦の中心部分が好きで、蕎麦の切れ端などは煮込んで撹拌させそば湯にしてしまうとのことでした。

このそば湯はもはやそば湯の枠を超えて、独立した料理の素材として利用できそうな勢いです。
オリジナルメニューとか蕎麦スイーツとか色々使い道はありそうですが、飾らないお店ですのでこのまま渋い蕎麦屋スタイルを貫かれることでしょう。
お店のSNSをチェックしてみたところ、今はSNSをやっていないようですがオープンして1年間は毎日のように更新されていて、温度・湿度・自己採点(100点満点)が記されています。
そんな一本気で、真摯にそば打ちに向き合う店主だからこそ、一見普通の蕎麦屋で何度も衝撃を受けるようなお店になっているのだと思われます。
高山には魅力的なグルメがいっぱいあって胃袋が大変ですが、蕎麦もぜひ手繰っていきまっしょい!
めん処ながせ
住所:岐阜県高山市花川町2
電話:0577-35-2083
定休日:金曜日(予約のみ可)
🈺:11:00~15:00
夜は創作コースのみ※予約要
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