石川県七尾市は能登半島の中心部に位置し、能登島水族館や和倉温泉などで有名な観光地でもあります。
しかし酒飲み勢としては、七尾駅周辺に点在する飲み屋もまた気になるところ。
今回の記事は楽しくて味があって不思議な魅力に包まれた七尾の飲み屋を3店ご紹介させていただきたいと思います。
七尾駅周辺はほどよく海に近く、港町っぽい風情ある町並みが広がっています。
居酒屋ダイニング くさなぎ
ママさんが一人で切り盛りするこのお店は、家庭的な料理と雰囲気がなんとも居心地が良いお店です。
まずはビールで乾杯。お通しは日によって変わります。
別の日のお通しは茶わん豆腐。これは能登の郷土料理とのこと。
中に辛子が仕込んであるのが岐阜の「からし豆腐」と同じでちょっと面白い。
こちらがフードメニューなんですが、なんか総じてお安すぎる・・・
レバニラ。ニラレバ派とレバニラ派で日夜激しい攻防が繰り広げられてるとかなんとか。
夏バテ気味の夏にもぴったりな一品ですね。
奥能登珠洲の激辛一味唐辛子。「言うても大したことないんでしょ」と舐めくさってましたがマジで激辛ェ・・・
チャンジャはどこで食べてもうまいのだ。
ヒラマサの昆布じめ。この質とボリュームで600円とは驚き。富山の居酒屋でもこんなに安く食べられない。
レモサワの厚切りレモンありがたす。
脅威の刺し身盛り
後日再訪問したところ、前回食べた昆布じめがメニューには載ってなかったので聞いてみた結果──
「今はないけど、何かあるか聞いてみようか?何か食べたい魚とかある?」
と食べたいものをふわっと伝えたところ、ママさんはどこかへ電話をかけはじめました。
すると、しばらくして──
近所からすっげえ刺し身がやってきた!
何を隠そう、すぐ近くにある魚屋さんと懇意にされていて、刺し身系のメニューはこの魚屋さんが作ってもってくるのです。
刺し身はどれも良かったですが、特にバイ貝が甘味もあってヤバいうまさでした。
ちなみに以前食べたヒラマサの昆布じめももちろんこの魚屋さん作。
この刺し身を持ってきたお姉様は当たり前のようにカウンターに座り生ビールをかっくらって会話に花を咲かせておられました。
玉子焼きも良き・・・
実はこれぼくが頼んだものではないのですが、たまたま横になった常連のお客さんから「食べきれんから食べて」と言われたものの丁重にお断りしたら、「マジで食べれんからどうしても食べて!」的に言われ、ありがたく撮影させていただいた後にいただきました。
いやあ、おもしれえお店だなあ・・・
おでん 小なみ
齢80歳を超えるママさんが一人で切り盛りするお店。
名物のおでんや牛すじを始め「どじょうの唐揚げ」「ところてん」「馬刺し」など美味しいものが揃っていますが、お客さん同士の距離感が近いのも大きな魅力。
きっと美味しくて楽しいひとときが過ごせることでしょう。
はみ出すほどに盛り盛りなおでん。
一見ネタの大きさに目を奪われがちですが、地元のレアな食材もふんだんに使用されていて見てるだけでもワクワクして楽しい。
トロットロに煮込まれた牛すじ。めっちゃビールに合うんよなあ。
おでんめっちゃうめえなあああ!
出汁も独特なんですよね。近所の人が大鍋を持参してしこたま買い込んでいったのもわかるほどに毎日でも食べたいと思う味です。
トマトもめっちゃうまい。
全国的には「かたは」といわれる山菜。微妙にぬかの発酵感がしてこれはいい酒の肴。
馬刺しは特注品とのことで常連さんにオススメいただきました。
う~ん、確かに!これはいい馬刺しですよ。
こちらはぴっちぴちのドジョウ。
活きが良すぎて揚げる際には常に数匹が床に落ちるほど。
カラッと揚がったドジョウは美味そのもの。「生きているドジョウじゃないと臭みが出てダメ」とママさんが言われるのも納得の味。
そしてあれは──!!?
これも名物のトンソク。トンソクは特に好きというわけではないのですが、これもまた常連さんに勧められた一品。
トンソクなるものを久々に食べましたがまったく臭みも獣感もなく、すっごく食べやすくてうまい。トンソクってこんな美味しいものだったのね。
ところてんも自家製。なんとも涼やかで清々しく、これはまさに風流の味。
何度でも毎日でも訪れたい。そんなお店です。
焼き鳥 長八
歴史を感じさせる焼き鳥専門店。
メニューはほぼ焼き鳥のみのガチっぷりで、サイドメニューはメニュー表にはないものがちょっとあるくらい。
激選焼き鳥メニュー。
何を頼むべきか考えるのすら面倒くさい、息をするのも面倒くさくて嫌だという人は「おまかせ」で何本か焼いてもらうことも出来ます。楽チンである!
茶わん豆腐もしっかりありました。
焼き鳥はどれも肉厚で、タレ味は濃いめなのでめっちゃビールに合いまくり。
塩味もさっぱりしてていい。
ナンコツが実に独特なんですが「大動脈の血管」を使用しているとのこと。そんな部位の食べ物があるのか・・・
まるっと仕入れて丁寧な仕込みをしているからこそ提供できる一品なんですねえ。
濃ゆい焼き鳥にはさっぱりとしたもろきゅうが輝く。
このお店、とにかく激シブすぎて超ツボ・・・
終わりに
いっそ七尾に住みてえ・・・と思わざるを得ない魅力的なお店ばかり。
我が富山県から七尾駅まで自家用車以外で行くときはわざわざ金沢駅まで行かずとも、高岡駅から出ている「和倉温泉 特急バス わくライナー」でサクッと1,200円で行けてしまうので超オススメですぞ。
宿泊はルートイン安定。ゆったり飲み歩いてみるのもいいと思いますよ。
〆に「うれしのきんちゃん」へ。
「たこ焼き」をオーダーするも「今日はもう出来なくて・・・」と断られ、レモンラーメンをオーダー。
レモンの酸味がなんとも心地よくするすると食べられます。
時間がたてばたつほどスープの酸味が強まっていき、レモンが加わった鮮烈な味わいはヘタリ気味だった胃袋も復活。
後日地元の人にレモンラーメンの話をしたら「あれはおいしいよね!」とのことでした。
ちなみにその地元の人によると、たこ焼きは今回だけでなくなかなか作ってもらえないらしい。
「もっと酒飲みレベルを上げて、いつの日か認められてたこ焼きを作ってもらうのが夢ですね」とあるのん氏は語った。
今回ご紹介した他にも飲み屋がいっぱいあるので、別のお店もぜひ巡ってみたいものですなあ。
To be continued!
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