鯖専用日本酒「サバデシュ」を最高の鯖料理と合わせてみた in 和洋酒肴・定食 ひぐら志

皆さんこんにちは、富山人あるのんです。

日本酒好きの皆さんは、この珍妙なる日本酒をご存知でしょうか。

そう、その日本酒とは今回の記事で取り上げる、鯖専用日本酒「SABA de SHU」(サバデシュ)です。

このサバデシュというお酒は、茨城県の吉久保酒蔵が鯖料理専用に開発した日本酒なのでしゅ。
 
このようなユニークなお酒が造られた経緯ですが、まず茨城県は都道府県の魅力度ランキングで5年連続ワースト1位という不名誉な結果があり、「ならば茨城の名物を作ればいい!」と、開発されたのが吉久保酒蔵の『天下一品 酒びたし鯖』という干物で、これが大変に好評を博したとのこと。
 
その成功を受けて2018年3月8日(サバの日)に満を持して発売されたのが、鯖に合う日本酒「SABA de SHU」(サバデシュ)ということなのです。
 
鯖の漁獲量日本一を誇る茨城県の企業ならではの発想と言えるでしょう。
 
このお酒を造った社長によると、「鯖に当たるんじゃないかというほど、試食と試飲を繰り返して納得のいくものができた」というほどの意気込みと自信作のお酒です。
 
 
どうやら通常のお酒よりも酸度やアミノ酸度が高めとのことらしい。
 
気になるラベル表記は、アルコール度数と原材料名くらいで、その他の情報は企業秘密で非公開となっています。
 
  • 原材料名:米麹・醸造用アルコール
  • 原料米:独自ブレンドな為、非公開
  • 日本酒度:独自ブレンドな為、非公開
  • アルコール:15%
 
サバデシュは、このお酒用に特別に醸されたものではなく、様々なお酒をブレンドして造られたお酒とのことです。

さて、どんな鯖料理と合わせるべきか

 
今回、ひょんなことからこのサバデシュを手に入れたあるのん。
 
このお酒が鯖一点にのみ照準を合わせた日本酒ということであるのなら、こちらも最高の鯖でもってその熱意に応えたい。
 
であるならば、用意する鯖料理はどこにでもあるようなサバ缶やサバフィーレでは相応しくないのではないか。
 
しかし、凝った鯖料理を何品も用意できるような調理スキルはぼくにはない。
 
誰か、料理の創意工夫に長けた人は……
 
 
あっ……!!
 
 
なんということでしょう。適任すぎる人をほんの一瞬で思いついてしまいました。
 
さっそく事情を説明してお願いしてみたところ、快く引き受けていただくことができました!ヒャッホウ~!!
 
 
そう、その人とは……
 
 
 
富山市内では既に知る人ぞ知る酒肴の名店、「和洋酒肴・定食 ひぐら志」の店主、かなこさんです。
 
このお店は「和ならこうだよね」とか「洋だからこうだよね」という線引はせず、良いと思うものは何でも取り入れる柔軟性を持ち、旨い肴を低価格で提供してくれるありがたいお店なのであります。
 
 
 
鯖でどのような料理ができるのかあまり想像がつかないので、料理に関してお願いしたことは次の1点だけ。
 

あるのん

コースっぽく数品出していただくことは可能でしょうか
 
あえて「コースっぽく」と書いたのは別に品数を稼ごうという意図ではなく、そのほうがプロには料理の組み立てのイメージが湧きやすいのではないかと思ったからです。
 
料理は3~4品ほども出していただければ試すには十分なわけですが、一緒に行った連れが「かなこさんに差し入れ~」と鯖の燻製を買って持参していったのは「さすがにそれは失礼にならないだろうか?」と思いましたが、まあ差し入れという意味ならアリなのかなと黙認することにしました。(お、おすそ分けとか期待してないから!)

サバデシュ御尊顔

酸度・アミノ酸度が高めということなので、あえて常温で持参。
 
 
この見事なまでの鯖っぷり。
 

サバデシュをそのままで飲んでみた感想

 
 
えっ…!?
 
意外とスッキリした味だ…。
 
酸度・アミノ酸度が高いということは、もっと濃醇でそのままでは飲みにくそうな味をイメージしてたけど、とてもスッキリしていて飲みやすくはある。
 
うん、飲みやすくはあるんだけど……
 
ぶっちゃけ言うと、スッキリしているだけのような味で、ちょっと個性が感じられないなと。
 
もっと言えば平坦でのっぺりとしているというか、新潟のお酒もスッキリしていることで有名だけど、それともまたぜんぜん違う印象のスッキリさです。
 
これ、本当に鯖に合うの…!?
 
ほんのり疑いの気持ちを抱いていると、いよいよ料理が運ばれてきました。

鯖のリエットとへしこの酒粕あえ

 
いきなり凄そうなのキターー!!
 
カリッカリのバケットの上に乗った「鯖のリエット」は、鯖のほろほろ感を残しながら生クリームと国産レモンによってまろやかな味わいです。
 
これにピンクペッパーの繊細な刺激が加わって、全体がキリッと引き締まったものになっているのです。
 
 
そしてズッキーニに乗った「へしこの酒粕あえ」がまた素晴らしい。
 
鯖の糠漬けである「へしこ」と、お酒を絞った後の「酒粕」はいずれもクセのある食材ですが、両方合わさったことでお互いのカドが取れて1段上の味わいへと昇華しています。
 
さらに、ズッキーニと合わせることでほどよい歯ごたえとマイルドさが加わるのです。
 

ここでサバデシュ!

あるのん

うーーーん??なんかそのままで飲んだときと変わらないような…

締めさば

 
うおおおお!!締めさば好きとしては、思わず雄叫びを上げずにはいられませんでした。
 
この色艶の美しい輝き!これは食べる前からうまいであることがわかるしめ鯖ではありませんか。
 
普通にわさび醤油でもいただけるのですが、ここはかなこさんオススメの食べ方で試したい。
 
 
左の白い皿は塩で、真ん中の黄色いものは……
 
そう、塩とオリーブオイルでいただくのです。
 
 
塩とオリーブオイルによって、醤油よりも柔らかく繊細な味わいがダイレクトに伝わってきます。
 
この食べ方はカルパッチョ風とのことですが、1切れごとにオリーブオイルと塩をふりかけるのが新鮮で楽しくて、あまり醤油の出番がありませんでした。
 

ここでサバデシュ!

あるのん

うむむ、しめ鯖をもってしても酒の味が揺るがない
 
通常、魚介類などを食べた直後に日本酒を飲むと味を膨らませてくれるものですが、このサバデシュからはその相乗効果が感じられません。
 
マサバは6月が一番脂が少ない時期なんですよね

かなこさん

 
なるほど。でも脂たっぷりの鯖をそう何品も食べるのは年齢的にちょっときついかも知れないので、それはそれで良かったのかもしれません。

鯖の竜田揚げ フレッシュトマトとミントのソース

 
 
まるで花に囲まれたかのような華やかさ。
 
 
身はほろほろに柔らかく、刻まれた野菜はほどよい酸味があって歯ごたえもよく、とても鯖とは思えない爽やかな揚げ物料理となっています。
 
このソース(野菜)だけでもいい肴になるんですよね。
 
他のお酒でも合わせてみた!
 
 
試しに富山のクセのない本醸造でも試してみたところ、今までさほどクセがないと思っていたお酒はサバデシュに比べると個性が強く、意外と酒の風味が勝っていたという印象でした。

珍味3種盛り

 
ぬおおおおお~~!!!
 
このあるのん、魂から雄叫びが上がりました。
 
ひぐら志に来て、お手製の絶品珍味を食べないわけにはまいりませんからね。
 
左から、鯖の白子の醤油漬け鯖のアラの味噌炒め鯖の卵の煮付け
 
これまでの人生で、いったいどれだけの鯖を食べてきたのか記憶にありませんが、鯖のこのような珍味は未だかつて食べたことがありません。
 
かなこさんは、普段から「オコゼの肝の醤油漬け」や「クロダイのからすみ」「スズキの白子の醤油煮」など、その時その時に入った魚を余すことなく絶品珍味に変えてしまう酒肴クリエイターなのです。
 
さて、今回はどうでしょう。
 
■鯖の白子
 
 
柔らかくもくりゅっとした食感と、コクのある醤油の深い味わいがたまらない一品。
 
酒飲みなら多分全員が好きな味です。
 
鯖のアラの味噌炒め
 
 
これがまた妙にうめえ…
 
鯖の骨の周りの身をこそげ取ったものを使用しているとのこと。生臭さを解消するために豆板醤も使用しているそうで、これまたまったく生臭さなどなくて旨味しか感じられません。
 
この料理も「さば味噌」のカテゴリに入るそうですが、さば味噌から想像し得るビジュアルや味とはまったく別のものです。
 
■鯖の卵の煮付け
 
 
「鯖に卵ってあるんだ…」と低IQ丸出しの思考をしてしまいましたが、そのくらい鯖の卵なんて普段見る機会がありません。
 
味はさっぱりしていて、タラの卵の煮付けを彷彿とさせますが、ほろほろ度はより高い気がします。
 
 
この珍味3種盛りはハッキリ申し上げて、無限に食べていられます。
 
 
青魚の中でも特に特徴的な味を持つ鯖ですが、この珍味3種盛りはクセらしいクセはなく、何も聞かされずに食べたらこれが鯖だと分かる人はそういないのではないかと思います。
 
ここでサバデシュ!
 

あるのん

うーん、やはり味が膨らむという感じではないなあ。このお酒は鯖の味を引き立てると言うより、鯖の味を邪魔しない日本酒なんだな。
 
と、結論づけました。そう、この時点では…

へしこのピザ

 
 
おおおおお!!!
 
まさか鯖がピザになってしまうなんて!!
 
気がつくと、撮影映えしそうな光を求めて窓際までダッシュしていました。
 
 
一見マルゲリータのようでありながら、ピザにはへしこが仕込んであり、そのへしこがアンチョビの如き役割を果たしているのです。
 
ピザには色々な具材が入っていて、全体的にはあっさりした味で旨味がじんわり広がっていくのですが、これだけ具材があってへしこが生きる味の組み立てになっているのはさすがです!
 
 
「メイン料理もいただいたことだし、後は残る肴で楽しく飲もう」
 
 
そう思っていた我々の前に、スッと現れた1皿。
 
 
 

焼き鯖寿司

 
 
絶品の焼鯖寿司でした。
 
「これには完全にノックアウトされましたね」と、あるのん氏は当時を懐かしそうに振り返る。
 
もちろん再び窓際までダッシュしたことは言うまでもありません。
 
この焼鯖寿司はおぼろ昆布に包まれて気品すらある味わいです。中には大葉が仕込んであるんですが、これがより爽やかさを引き立たせながら全体の味をより一層魅力さを高めているのです。
 
醤油をちょっとつけてもいいそうですが、漬けなくてもそのままで十分うまい!
 
焼き鯖寿司と聞くとB級グルメというイメージでしたが(もちろん大好き)、この焼き鯖寿司には今まで焼き鯖寿司に抱いていたイメージが覆されてしまいました。
 
本日のコース
  1. 鯖のリエット
  2. へしこの酒粕あえ
  3. 締めさば
  4. 鯖の竜田揚げ フレッシュトマトとミントのソース
  5. 鯖の白子の醤油漬け
  6. 鯖のアラの味噌炒め
  7. 鯖の卵の煮付け
  8. へしこのピザ
  9. 焼き鯖寿司
 
なんということでしょう。9品も出していただきました。

差し入れの鯖の燻製に一同驚く

すっかりその存在を忘れていた、差し入れの鯖の燻製。思い出したのは、かなこさんの一言。

え~っ!?この鯖の燻製と合わせたら高級酒っぽくなった~!

かなこさん


「つりや」の人気商品。ひみ番屋街、とやマルシェ、通販で買えます

なぬっ!!?

先に鯖の燻製とサバデシュを合わせたかなこさんから思わぬ反応が!?

ぼくも急いで試してみると・・・

 

ああ…なるほど、そうか、そういうことだったのか!!

 

ついにお酒の味が変化しました。

今回持参した鯖の燻製はものすごく脂が乗っています。この鯖の脂を全方位からやさしく包み込み、お酒の味が膨らんで数段上の味のものにしてしまうこの感覚こそが、サバデシュの真価だったのです。

最後の最後に、吉久保酒蔵の社長が目指した世界を垣間見ることができました。

終わりに

今回の料理には脂の少ない鯖が使用されましたが、逆に脂の強い鯖料理をここまで存分に楽しめたかと言うと、気持ちだけは若いつもりでも年齢的になかなか難しかったと思うのです。

鯖のコース料理をいただいたのはもちろん人生初でしたが、間違いなく最高のものでした。かなこさん、どうもありがとうございました!

結論!!

サバデシュの本領を発揮するには、脂の強い鯖を使用するのがいいでしゅ。

昼飲みにも 一人飲みにも 女性にも嬉しい『和洋酒肴・定食ひぐら志』

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