こんにちは、富山人あるのん@_arnon_です。
富山市東岩瀬にある古い町並みといえば、北前船で栄えた歴史ある町並みが今もなお多く残っている富山の観光スポットです。
この古い町並みには新たな名所が日々誕生していますが、古い町並みの中でも特に中心的存在といえるのが「満寿泉」で有名な桝田酒造店ではないでしょうか。
趣のある酒蔵がなんとも周囲の風景によく溶け込んでいるのですが、この酒蔵のすぐ近くに満寿泉直営の有料試飲のお店が昨年オープンしました。
お酒が飲めるようには見え難いご立派な外観。恐る恐る入ってみると・・・
沙石(させき)
回船問屋として栄えた宮城家の住宅を解体~再生したという店舗は圧巻の光景でした。
店内は広く美しく洗練された空間が広がっていて、桝田酒造店の本気度が伺えるというものです。
お店に入った瞬間特に目を引いたのが、太いにもほどがあるスギと、長すぎるにもほどがあるカウンターでした。
落雷スギ
南砺市の井波別院瑞泉寺境内で落雷を受けたというスギ。本堂の身代わりになったといわれていて、厄除けになればという思いがこめられているのだそうです。
きっと朝乃山関が体当りしてもびくともしないでしょう。(でもやらないでね)
ヒノキカウンター
遠すぎるせいか地平線がぼやけてしまってますが、これは一枚もののヒノキです。
こんな大きなヒノキのカウンターは初めて見ましたよ。まあ普通のお店には入らないでしょうし、予算的にも厳しいやね・・・
この立派すぎるカウンターで立ち飲みBARのようにお酒をいただくのです。
お酒の冷蔵庫
満寿泉のお酒がズラリ。
「満寿泉のお酒ってそんな数十種類もあったっけ?」と思う人もきっといるでしょうが、満寿泉の製品ラインナップはわりと多いほうですし、ビンテージによる熟成の違いも味わえるので、日本酒好きにとってはかなり興味深いのではないでしょうか。
4合ビンでウン千円するようなお酒がごろごろありますから、普段なかなか試せないお酒を味見できるのはありがたいことです。
沙石のシステム
こちらでは満寿泉の数十種類のお酒が有料で試飲できますが、システムがちょっと独特なので説明させていただきます。
- 三勺枡(50ml)を220円で購入する
- マスは持ち帰れる
- 料金は1杯200円~500円
- お酒の支払いはセルフで、冷蔵庫前のBOXにお金を投入する
- PayPayも使える
- 30分2,000円の飲み放題もある
- 肴も買える
まず必ずマスを200円(外税)で購入しなくてはいけません。マスを入れる袋もいただけるので持ち帰ることができます。
冷蔵庫の一番左が200円のお酒で、右側へいくほど高価なお酒になっていきます。
どのお酒を飲むか決まったなら、
各扉の横にあるBOXにお金を投入しましょう。両替はお店の人へ。
肴として、すぐ近所にオープンした「つりや東岩瀬」至高の肴が販売されています。
満寿泉の酒粕に漬け込んだホタルイカの素干しなんて素敵なものもあるじゃないですか。
それではほんの少しで恐縮ですが、特に印象に残ったお酒を2点ご紹介させていただきます。
沙石オリジナル ワイン樽熟成酒ビンテージ3種
ワイン樽で熟成させた沙石オリジナルのお酒。
左から1998年、2000年、2006年となっていて、それぞれに熟成度や味の変化に違いがあります。
ワイン樽で熟成させると独特の風味が出るのですが、それを長期間熟成させることによって味に年輪が刻まれていきます。
これだけ長期間の熟成に耐えうる日本酒というのも、なかなか珍しいのではないかと思いますね。
3種で500円。
満寿泉 純米大吟醸 R(アール)
ドンペリの酵母を使用して醸された超レア酒。
「R」とはドンペリニヨンの元醸造最高責任者リシャール・ジェフロワ氏の名からとられています。
リシャール・ジェフロワ氏が立山町の白岩地区で日本酒造りを始めるということで業界では大きな話題となっています。
氏と親交のある満寿泉だからこそ実現したお酒と言えるでしょう。
上品かつ高貴な果実感、生酛づくりによる力強い乳酸、無濾過生酒のフレッシュ感が一体となった、この素晴らしい純米大吟醸をぜひ味わってみてほしいです。
1杯500円
写真展示
店内には満寿泉の歴史が窺い知れる貴重なショットの数々も見ることができます。
まだ吟醸酒が珍しかった昭和40年代から社運をかけて吟醸造りに挑戦し、今では吟醸蔵として確固たる地位を確立するに至りました。
その礎を築いた重要人物が、能登杜氏四天王の一人と言われている前杜氏の三盃幸一氏。
既に鬼籍に入られたと聞いたのが令和最大のショックでした・・・。
沙石の感想
建物の素晴らしい景観には圧倒されるし、数々の貴重なお酒が飲めるとあれば、酒好きなら一度は行っておくべきスポットといえるでしょう。
ただ、リピートしたいかと問われると、なかなか気軽に利用しにくいかなあと思う部分がありました。理由は以下のような感じです。
- 必ずマスを購入しなくてはいけない
- マスがちょっと飲みにくい
- 水が有料
- 中価格帯まではもう少し安くしてもいいのではないか
- ちょっとだけつまめる肴がほしい
- 飲む権利を得るのに必ず220円払わなければいけないというのは敷居が高く感じられる。せめて購入済のマスを持っていけばその分はかからないようにするとか。
- 三勺の四角いマスで飲み続けるのはなかなか大変。
- 和らぎ水は重要。仕込み水が無料で飲めたら嬉しい。
- 100円からあってもいいのではないか。
- ちょっとだけ肴をつまみたいニーズは多いはず。1袋1瓶単位ではなく、有料試食的にちょっとだけ食べられる商品があればぜひ食べたい。
ぼくはこのとき2杯分購入したので合計1,020円でした。(枡220+300+500)
酒造直営店で100ml分飲んで1,000円超えってなかなか強気な価格設定だと思いました。
中価格帯まではもっとお得感をだしてもいいのではないかと思いますが、満寿泉の吟醸系は昔からわりと高級路線だったので安売りはしないという方針なのかもしれません。
でも高級酒に関してはお得感は高いです。上記の「R」なんて4合瓶で1万円を越えるお酒ですし、そもそもなかなか飲めるお酒ではありませんよ。
日本酒ガチ勢は飲み放題一択かもしれませんね。
日本料理店も併設
富山市五福にあった日本料理店「ふじ居」がすぐ横に移転オープンしています。
これは沙石のすぐ裏になりますが、この景観もまた趣がありますね。
道路側の反対にもお店の出入り口があります。(お店に入らなくても裏には行けます)
ということで、古い町並みに訪れたらぜひこちらに寄ってみてくださいね。
沙石で気に入って購入したいお酒がありましたら、こちらではなくすぐ並びにある「酒商 田尻本店」を訪れてみましょう。こちらのセラーもまた圧巻ですよ。
とりあえず酒好きは、MUROYA、つりや、沙石、酒商田尻本店あたりを攻めておけば間違いありません。
沙石(させき)
住所:富山県富山市岩瀬大町93
電話:080-2962-6683
営業時間:10:00~17:00
定休日:不定休
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