北陸人に聞こう。
「片町といえば・・・!?」
ええ、それはもう福井ですよね。・・・と言いたいのですが「福井市に“片町”という住所はないんですよ」と教えてくれたのはタクシー運転手のおっちゃん。
福井市の片町は福井県一の繁華街とのことですが、富山でいう桜木町、石川でいう片町みたいな位置づけみたいですね。
ということで・・・こんにちは、富山人あるのんです。
福井の片町
手頃な酒場にありつければと無計画にうろつく富山石川福井県民の我ら3名。
しかし3連休のゴールデンタイムはノープランの我々に対して厳しい洗礼を与えるばかり。
福井人の引率ということでオススメのお店はいくつかあるものの、お店に入るごとに「予約されてますか?」「本日は予約でいっぱいで・・・」と断られるルーティン。
ですよねーとか思ってると、断られ続けてついに壊れたのか「予約されてますかー!本日は予約で満席でー!」と天下の往来で連呼しだす福井県在住のT氏。
どうか、ご利用は計画的に。
福井の片町は金沢ほど栄えてないものの、富山人としては「桜木町に近いな・・・」と親近感を覚えます。
おお!?ここだけ人の行列がすごいことに!・・・と思ったらかの有名な「ヨーロッパ軒」のしかも本店ということで納得。
この日は午前中に飽きるほど海鮮丼を食べ「夜は刺身とか魚以外で・・・」という空気でしたが、「じゃあ焼き鳥とか?」と「ラーメンがダメならカレー」的な1ミリの工夫もないアイデアが飛び交いました。
この通り沿いにある有名焼き鳥店「秋吉」も人が並んでいましたが、「さすがに福井まで来て秋吉はちょっと・・・」ということでさらに散策を進めていると、何やらT氏が面白そうなお店を見つけました。
翠翔(すいしょう) 片町店
名古屋コーチンを使った焼き鳥のお店!?しかも1500円90分の単品飲み放題もある。ほおお、とてもいいじゃない!!
ということでダメ元で突撃してみた結果、なんと入れてしまった!!あたい・・・心の準備が・・・
しかし入れたはいいものの、カウンターだけの小さなお店ではないしお客さんも既に数組入ってるのに、ワンオペという状況はかなり厳しいオペレーションであろうことはトーシロの我々にも伺えました。
「一杯飲んだら出ましょうか」
という感じになって飲み放題にはせず、生ルービーとソッコーで出てきそうなメニューをオーダー。
塩レバー ¥440
え・・・!?
この塩レバーめっちゃうまいんですけどぉ!!!今流行の低温調理というやつか。
火の通り加減が絶妙で生っぽいのに生じゃないという。臭みもなくて柔らかくてめっちゃうまいですよ。
そしてこのチャンジャ・・・
チャンジャはチャンジャでも「鶏チャンジャ」(¥400)という、いつもの鱈のチャンジャとは違うビジュアルですが味はすこぶる良かったです。
「あれ?この店・・・なんか良くね?」
と我々が思いはじめたころ、一人・・・さらにもう一人・・・ダメ押しにもう一人と、さながら召喚魔法の如く女性定員さんが登場。
となれば、我々のやることは決まっている。
この店で思う様楽しみましょうや!
・・・と。
メニュー
焼き鳥はもちろんのこと一品物も野菜もすごくおいしそうだし、他のお客さんに運ばれていた鍋料理もめっちゃおいしそう~!
女性定員さんがやってきたところで付き出しが運ばれてきました。
うへえ!?付き出しが野菜スティックとな!?
これは嬉しい不意打ち。野菜スティックは食べやすいし、なんといってもつい体に悪いものばかり食べたがる我々にはうってつけといえるでしょう。
これは鶏の唐揚げ!?
・・・まあ間違いではないですが、これは「ぼんじり」の唐揚げです。
ぼんじりはその名の通り「お尻の肉」ですが、お尻の肉の筋肉の発達した部分なので脂がのりつつもコリコリとした食感が楽しめる希少部位です。
ぼんじりを唐揚げでいただいたのは初めての体験。
この極上のコリコリ感と食べ味はぼんじり好きにはたまらなさすぎますよ。こだわりの塩が添えられているのがまたニクイですね。
焼き鳥 盛り合わせ
やはり焼き鳥は抑えとかないかんでしょ!焼き鳥の盛り合わせは5本盛りと10本盛りがありますが、3人いるのということで5本盛りを3人分オーダーしてみました。
出来上がりまで時間はけっこうかかりましたが、この煙のガチ感はたまりませんよ。
焼き鳥とともに燻される我々。煙たいどころか焼き鳥のおいしいお店はこうあるべきですよ。
かの有名な「而今」がグラス600円とかなかなか見合られない値段設定だと思うのですが、ぼく的には白岳仙があるのがヒットでした。
以前福井に訪れた時、何かのパンフで「天才杜氏が・・・」的な表現があって、天才と表現するって並大抵じゃないぞということでその足で蔵まで買いに行ったものです。
すごくぼく好みのお酒で通販でも買ったしお店で見かけたら必ずいただきますね。もちろん白岳仙以外にも福井はおいしいお酒がたくさんあるので、福井のお酒を飲み比べできるお店に行ってみたいものですねえ。
キターーー(゚∀゚)ーーー!!
盛り合わせ5本で1130円という価格ですが単品で頼むよりちょっとお得で、何よりこれはめっちゃおいしい焼き鳥ですぞ!
入店時は微妙な空気感があったのですが、気がつけば中学生男子のようなマウント合戦が始まるほどに皆気に入ってました。
名古屋コーチン恐るべし・・といったところですが、ところで皆さん「地鶏」の定義ってご存知ですか?
- 「地鶏」とは、日本の在来種の血を半分以上継いでいる鶏。
- 日本の在来種は、明治時代までに国内で成立または導入されて定着した38種の鶏。
- 出生の証明ができ「75日以上の飼育期間」「28日齢以降平飼い」「28日齢以降1平方メートル当たり10羽以下の飼育密度」という飼育条件をクリアしたもの
ということですので、地鶏のヒヨコの仕入れやら平飼いやら飼育密度やらはブロイラーの飼育と比べるとやたらコストがかかっているので、そりゃあお値段もそこそこになってしまうのは当然と言えるでしょう。
鶏皮せんまい ¥490
おつまみ3本柱と思われる鶏皮せんまい。
先ほどの塩レバーやチャンジャと比べるとインパクトは低めですが、一番クセがなく誰でも食べられそうなさっぱりしたおいしさといえるでしょう。
名古屋コーチン有精卵だしまき ¥790
メニューには「翠翔風だしまき」(¥600)もありましたが、やはりせっかくの機会なのでより良いものを食べてみたいと思うのが人情といふもの。
だし巻きにしては形がよろしくないような・・・
素材を活かすためか味付けはすこぶる繊細。素材の味がダイレクトに伝わってくるだけに、やはりこの形が評価を難しくする要因となっているような。
素材をより活かすのであればもっととろとろなオムレツ風にしたほうがいい気がします。
一般のだし巻き卵があの滑らかな形状なのは、素材や味付けが繊細なだけに舌触りや食感が味に影響すると思うのですよ。
万願寺唐 醤油焼き ¥600
唐辛子!?と思って食べてみると、これがぜんぜん辛くありません。
むしろ辛さよりも、すっごく味が濃くて素晴らしくおいしい野菜じゃないですか!これはお酒が進むというものですよ。
まとめ
この後にラーメンも食べなきゃいけないのでこの辺で〆てもらいましたが、このお店は奥が深く一度ではとても味わい尽くせるものではありません。
今回名古屋コーチンの焼き鳥を食べてみて「やっぱ地鶏っていいよね」としみじみ思いましたが、となると我が富山県もぜひ「富山地鶏」を・・・と切に願うばかり。
富山は海の幸も大地の幸にも恵まれているので、後は地鶏がいれば陸海空を制覇できる!!と思いきや、鶏は空飛べねえか・・・
ということで福井の片町でいただく名古屋コーチンも乙なものですぞ~!!
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