久々に高岡の大地へ、独り降り立った。
天気も極めて良好だ。
となればやることは一つ。
高岡駅からまっすぐ進んだ賑やかな通りから一つ曲がれば、そこはすぐに別世界へと繋がっている。
はい、やってきました~!
以前から訪れてみたかった「居酒屋たかまさ」へ。
このお店は高岡駅前で午後3時から営業している居酒屋ということでも知られていますが、吉田類の酒場放浪記でも紹介されていたことでも有名なお店です。
このとき時間はちょうど3時をまわったところ。店舗入口のたかまさアピールに少々圧倒されながら暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませ~!」
店内に威勢のいい声がこだまする。
あれ・・・!?
3時からやってる老舗店というから、てっきりご夫婦とかでひっそりやってるお店なんかなと思ってたけど、厨房に入ってる人が見てわかるだけで4人もいるじゃない。
ホールスタッフも数人いるし、予想に反してなかなかの規模で営業していらっしゃいました。
コロナ禍においてもこのスタイルを貫けるというのは、それだけ地元に愛されているお店なんだなあとしみじみ思いましたね。
この味のあるカウンターがなんとも落ち着きますなあ~
ほぼ15時と同時に入ったのに既に焼き魚やら刺身やら食べてる先客がいてPPは取れなかったけど、まずは生ルービーと付き出しをいただきながらこれからの作戦をじっくり練ることにしよう。
※PP=ポールポジション
付き出しがうまいお店にハズレなし。
フードメニュー
このツボを抑えまくったラインナップはどうだ。
定番メニューの安定感とホワイトボードメニューの季節感がおりなすハーモニーは、まるで天上の調べのようではないか。
ドリンクメニュー
このメニューを見た瞬間は生中がなかなかいいお値段だなあと感じたのだけど、でも飲んでみると量が多い気がしたのでこのお店の小ジョッキが一般的な居酒屋のサイズなのかもしれない。
富山の旬を満喫できるお店ということで、日本酒も富山のもので統一されています。
お酒の解説も丁寧でわかりやすく書いてあるのが好感度大ですね。
すり身揚 ¥590
ホームページで事前にリサーチしたところ、「当店人気メニュー」とまで書いてあったので必ず食べてみようと思った一品。
もちもちっとしてぷりぷりっとした食感がクセになるおいしさ。
確かにこれはリピしたくなる味です。
後からやってきた常連さんも「このお店にきたらすり身揚を食べていってくださいよ」とわざわざ勧めてくれたほどなので、皆さんも訪れた際にはぜひどうぞ。
ちなみにその常連さんには「あ、さっき最初に食べました」と伝え、抜かりのなさをさりげなくアッピール。
店内には「ですよね~」と笑いがこだまする。
当店特製ほたてカレー風味焼 ¥580
「当店特製」とか「当店自慢の」とか「当店こだわりの」とか、ついでに可愛こちゃんにも弱い小生。
「ほたてカレー風味焼」なんて字面はここでしか見たことないっす。
まあこれは頼むしかないよね。
あ・・・ なんていうか不思議なおいしさ。
カレー風味とやらは確かにカレー味なのですがそこまで強くカレーは主張してなくて、どこからやってきたのか不思議に心地よい酸味がなんともマッチしています。
大将に「この酸味は酢!?」って聞いてみたところ、軽やかに否定されてしまいました。
この秘伝の味つけはおそらく一子相伝。レシピの奥義に踏み込むなど厚かましいにもほどがありました。
よし、次はいよいよホワイトボードからいってみるか。
刺身もいいなあ。隣の常連さんが食べてるブリもすこぶるうまそうだ。
う~ん、どれにしようか・・・
という流れから行き着いたのはイワシの刺身。
イワシ刺 ¥540
いや、これめっちゃうまいよ!
ほどよく大きめにカットされていて、鮮度の良いイワシの味がダイレクトに楽しめる。
非常に脂のノリも良くて最高ですね。
大将いわく「今の季節イワシがいいんですよ」とのこと。これをチョイスした自分を褒めたい。
そら日本酒になるよね。
熱燗とイワシ刺、幸せすぎる。
さて、次に何を食べようか。
う~ん、めっちゃ迷う・・・ どれも美味しいことは間違いないのだろうけど、胃袋の容量も懐の予算も限られているからベストのチョイスでカーテンコールを迎えたいところ。
そこで大将に、「ここに来たらこれは食べていってほしいというものはあります?」と伺ってみた。
そう、やはりお店の人や常連さんに聞くのが間違いない。
大将オススメの一品 その一
やはり季節の旬のものがそのときにしか食べられないということで、山菜の天ぷらを推していただきました。
何が入ってるのか聞いてみると、「えっと、コシアブラ・・・」
ぼく「コシアブラ!?それにしてください!!」
コシアブラで即決。天ぷらにするとすごく美味しくて好きなんですが、あまり富山の飲食店では見かけない気がするんですよねえ。
山菜天ぷら¥680
たらの芽・ふきのとう・こごみ・コシアブラ・ぜんまいなど、春の味覚の代表格が勢揃い。
目を閉じれば、春の風と陽気が色鮮やかな光景とともに現れるかのようで、早春の息吹を感じずにはいられません。
天ぷらもサクッと揚がってるし、天つゆもちょっと濃い目でとても好きな味です。
大将オススメの一品 そのニ
富山の春の味覚のド定番中のド定番といえばアレですよね。
そう、春キャベツ!・・・って別に違わなくはない。
そう、ホタルイカちゃんですよね。
酢味噌ではなく生姜醤油というのもまたいいですね。
口へ頬張れば、プチッと弾ける食感とワタの濃厚な旨味がビッグバンとなって、ぼくの大切な熱燗をガンガン吸い取っていきます。
大将オススメの一品 その三
大将3つめのおすすめは深層水トマト。
一人ということで、ハーフサイズにしていただけました。
ぬおっ!!?この肉厚なビジュアルは普段見るトマトとぜんぜん違うぞ!
凝縮した肉厚なボディを持ち、甘味も強く味も濃く、まるで果実のような充実感。
この深層水トマトは「小矢部光ファーム」で栽培しているもので、通常のフルーツトマトは水を極力与えない方法で栽培するらしいのですが、このトマトは海洋深層水を与えることで水の吸収を抑えて栽培しているとのこと。
こんなすごいトマトが富山にあったとは驚きで、確かにわざわざオススメするだけの価値は十分にありました。
いやぁ、噂に違わぬ名店っぷりをまざまざと見せつけられて、何もかもが大満足でした。どうもごちそうさまでした!
外が明るいのがなんだか嬉しすぎる。
あとがき
先代が「居酒屋たかまさ」をはじめてから約40年。そして現在の15時スタートのスタイルになったのは約15年ほど前とのこと。
15時オープンにした理由を尋ねてみると、「仕込みとか色々あるし、じゃ(その間も)店開けといてもいいんじゃない?」とのことでした。
確かにお客さんはまだぽつりぽつりの状態なのに、皆さんとても仕込みに忙しそうな雰囲気でした。夜に訪れるであろう最繁時に備えているのでしょう。
お店全体の雰囲気が良いのも、そんな中でも気さくに話をしていただいた大将の人柄の現れなのかもしれませんね。
旬を大切にし、お客さんに喜んでほしいというスタイルが、このお店がたくさんの人に愛される最大の理由なのだと思います。
帰り際に、あるブツをいただきました。
ぼくの戦いはまだまだ終わらねえ!
また行きま~す♪
居酒屋たかまさ
住所:富山県高岡市末広町42
電話:0766-24-5745
営業時間:
月~木 15:00~23:00
金・土 15:00~24:00
日 15:00~22:00
定休日:第1日曜・年末年始
クレジットカードや電子決済が利用できます
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