こんにちは、富山人あるのんです。
「プーアル茶」と聞いてどんな味をイメージしますか?
「いやあ・・・ウーロン茶ならわかるけど」
という人が圧倒的に多いのではないかと思います。ぼくは意外にもプーアル茶に関してそこそこ馴染みがなくもなくて、それはバーミヤンで昼飲みするときにドリンクバーもつけて「プーアル茶割り」という高度な飲み方を楽しんでいます。
──が、よくよく思い返すとプーアル茶単体で飲んだ記憶がねえ・・・
ということで今回は富山市内にあるプーアル茶専門店に立ち寄ってみたのですが、この驚くべき中国茶の世界を少しでもお伝えできたらと思います。
新雨軒プーアル茶専門店
そのお店は大和富山から護国神社へ通じる通り沿いにあります。
新雨軒は「しんうーけん」と読みます。
このビルの1階にあるお店がおそらく富山では唯一無二であろう本格プーアル茶専門店です。
お店の中に入ると客席はテーブルが2セットだけのこじんまりとした感じなのですが、そのテーブルの美しさにまず心を奪われました。
彫刻もすごいのですが、3つに分離しそうな不思議なデザインも想像力が駆り立てられます。
テーブルの足もネコ科の動物のようですが、まるで生きているかのような生々しさです。
メニュー
お茶の名前に「山の名」が入っているものが多いことにお気づきでしょうか。
「山ごとに味が異なります」ということなので、ワインでいうところの葡萄の産地のようなものでしょうか。
メニューは生プーアル茶と熟茶のみという現代の日本ではちょっと考えられないシンプルさ。
プーアル茶とはそもそも何?
ここでそもそもプーアル茶とは何かというと、まず緑茶・ウーロン・紅茶が同じチャノキから作られていることは有名だと思います。
初めてその事実を知ったときは「そんなバナナ・・・」と思ったものですが、プーアル茶もやはり他のお茶と同じチャノキから作られています。
緑茶・ウーロン茶・紅茶の違いは「発酵させているかどうか」で、緑茶は不発酵茶、ウーロン茶は半発酵茶、紅茶は完全発酵茶ということですが、プーアル茶は不発酵茶でもなく半発酵茶でもなく完全発酵茶でもありません。
プーアル茶は「後発酵茶」による「黒茶」といわれるお茶で、茶葉に熱を加えることで酵素の活動を止めて麹菌などで発酵させながら熟成させるものです。
一般的にプーアル茶とは熟茶のことを指し、日本での生茶の流通はまだそう多くはないようです。
メニューを決めると、店内の棚に飾ってある一見売り物とも思える茶器を選ぶように促されます。
そう、このお店では自分で選んだ茶器で本格プーアル茶がいただけるのです。
生茶と熟茶
まず各々が選んだ茶葉のお披露目。茶葉の香りをダイレクトに確かめることができます。
ぼくは生茶のケイマイザン、連れは熟茶のナンノウザンを選択。
このポットはスイッチポンでいつでもすぐにお湯が沸かせます。なんとも不思議な形状ですが、このお湯の入ったポットが今回大活躍でした。
お湯が減ってきた頃にそれとなく店長さんが追加してくれます。
まずお湯を湯呑みに入れて器を温めます。「まずはそこからかー!」という感じですが、これから始まるであろうプーアル茶体験に胸が高まろうというもの。
このお店で体験したことを詳細に伝えようとするとすごく細かくなってしまうのでほどほどにしておきますが、心配せずともイケメンの店長さんがとっても丁寧にやさしく教えてくれます。
店長さんは自身の手に茶器を持って説明してくれるのですが、我々のではなくわざわざ別に用意していて『お茶を入れるのはあくまでお客の我々』ということをとても徹底されています。
茶葉に──
お湯を入れて数秒──
この茶器は注ぎにくい・・・と言われていたのに、あえてこれを選択したぼく。だって気に入っちゃったんだもん・・・
確かにちょっと注ぎにくかった・・・(笑)
まずは一杯目。
熟茶の色の濃さとまったく趣が異なりますね。飲んでみてもとうぜん味はまったく違います。香り高くなめらかな生茶に対し、熟成した独特の味わいが特徴の熟茶。
どちらにもそれぞれの良さがあり甲乙つけがたく個人的には生茶も華やかでおいしいのですが、これまで味わったことのない熟茶の複雑な味わいというか深みがたまらなく魅力に感じられました。
器が日本酒のお猪口ばりに小さいのですぐに飲み干してしまうのですが、それがまたお茶を入れるたびに味が変わっていくので味の変化が存分に楽しめます。
7~8杯楽しめるとのことですが、3杯目がもっとも濃ゆい味わいでした。う~ん、これは楽しい!!
お菓子はかりんとうが提供されました。
ほぼお茶だけを飲んでいたというのに、いつの間にやら1時間ほどが経過していました。
終わりに
中国茶は入り口から既にとても奥が深いものだということが今回の体験と記事で実感しました。
最初にお茶が飲めるようになるまでにたくさん説明があってなかなかに忙しいのですが、しかしそれはとっても貴重で楽しい時間でもありました。
これほどの手間と時間をかけていただいて一人700円って格安すぎると思うのですが、プーアル茶に合うお菓子を揃えて客単価をあげてくれてもいいんですよ?と思いましたが、まあそもそも営業日があまり多くないのできっとプーアル茶をシンプルに楽しんでほしいというコンセプトなのでしょう。
なんせテーブルが2セットのみのお店ということで、お茶をいただいている途中に何組かのお客さんがやってきては断られていました。
なので訪れるときは可能なら予約をしていくのがオススメです。電話はないそうなので予約はインスタやメールなどからどうぞ。
プーアル茶の奥深い世界をぜひ体験してみてくださいね。
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