【売薬宿山キ】風情ある岩瀬の街なかに1日1組限定のすてきな宿

富山市の岩瀬エリアは江戸時代より、全国を行き来する北前船の港町として栄えてきました。

今もなお当時の面影を残した町並みは「岩瀬の古い町並み」と呼ばれ、地元民にも観光客にも親しまれている観光スポットです。

この古い町並みの界隈には様々な観光スポットがありますが、やはり気になるのはグルメ情報ではないでしょうか。

この界隈には、酒蔵・酒屋・食堂・カフェ・和菓子店・居酒屋・寿司店・懐石料理店・料亭・フランス料理店・イタリア料理店・ビアパブなど、飲食系が特に充実していることでもよく知られています。

建物も町並みに合わせたレトロな作りになっていたり、

昔ながらの家屋や蔵がリノベーションによって、

見違えるように美しい空間を演出しているのも、人気の理由の一つと言えるでしょう。

売薬一家の住まう家

そんな熱いスポットの古い町並みのメインストレートに、ひっそりと存在する宿があります。

施設外観

一見、港町ならどこにでもあるような昔ながらの民家。

この暖簾のある民家が「売薬宿山キ」という今回宿泊する宿になります。

この家屋にはもともと、江戸時代より代々続く売薬一家が住んでいました。「山キ」というのはそのときの屋号です。

ご主人は北前船に乗って、北海道まで薬を売りに行っていたとのこと。

リフォーム費用の一部をクラウドファンディングで募り、売薬宿山キとして新たな歴史を刻むことになりました。

建物内にはいかにも売薬一家らしい名残があちこちに見られ、我々には想像がつかないはずの当時の生活がまるで目に浮かぶような不思議な感覚にかられることでしょう。

この宿の最大の特徴として以下のものが挙げられます。

 

  • 代々続いてきた売薬一家の家
  • 一日一組限定
  • 無人のチェックイン・チェックアウト
  • 基本晩ご飯なし(近所の提携飲食店での食事プランはある)

この宿でどう過ごすか、どう活用するかはまさに十人十色。

今回ぼくが過ごした内容は、「ぼくらは今回こうしたかった」ということなので、「自分ならどうするかな」とか「自分ならこうしたいな」ということを意識しながら読み進めていただけると、より楽しめる記事になっていると思います。

売薬宿山キ 朝食付きプラン 宿泊料金(税込)
大人1名 12,000円~ 平日
3名以上 10,000円~(1人) 平日
小人1名 5,000円~ 平日
未就学児 無料

無人チェックイン

チェックインの時間帯は16:00~21:00。

玄関

事前に知らされている方法でチェックイン。

この宿は一日一組限定かつ無人なので第三者と関わることは一切なく、外に出なければ自分たちだけの世界にどっぷり浸りまくることが可能です。

手指消毒と検温を済ませ、玄関横にあるシートに必要事項を記入しましょう。

 

では、おじゃましまーっす!!

 

リビング

 

おおおお・・・

 

す、すごくいいじゃない!!

 

なんて素敵な空間でしょうか。

昔ながらの日本家屋が美しくリフォームされており、調度品も空間に合わせたものになっていて一体感が素晴らしいですね。

あらかじめ暖房もついていて既に部屋が温かいのも嬉しい配慮ではありませんか。

お着き菓子

あ、近所の大塚屋のどらやきもある!

密かに買いに行こうかと思ってただけに、これは嬉しいお着き菓子。

子供用の小さな椅子やおもちゃもあったりして、小さなお子さんも楽しくすごせそうですね。

山キ探検隊爆誕


画像:公式サイトより引用

ほっそ!!

いわゆる「うなぎの寝床」ってやつですね。

港町には家と家の境目がない長屋形式が今も多く残ってたりしますが、横幅が狭めなぶん縦に長い構造になっているのです。

ということで、さっそく宿内を探検してみたいと思います!

書斎

玄関入ってすぐ目の前がリビングなんですが、玄関のすぐ左は書斎となっています。

書斎

かつてはここで懸場帳とかつけていたんでしょうか。

無料のWi-Fiもあるので、突然舞い込んだ仕事にも対応可能とのことですが、そんなんいやや!!もう一ミリも仕事のことなど考えとうない!わいは酒に浸るんや!!!

キッチン

キッチン

省スペースながらも一通りの設備が揃っています。そう、ここで自炊もできちゃうんです。

包丁もまな板もIHヒーターもありますよ。

そしてここで回れ右すると、

冷蔵庫・電子レンジ・オーブン

冷蔵庫に電子レンジ、電子ジャーにオーブン、さらには鍋まであって、まさにやりたい放題が可能となっています。

食器・グラス

コップや酒器、箸、スプーン、フォーク、皿なども完備されているので安心ですね。

この他にも、ワイングラスやシャンパングラスも揃ってるので、君の瞳に乾杯も余裕。

ウェルカムドリンク

冷蔵庫の中にはウエルカムドリンクとして、黒部の天然水2本と日本酒の満寿泉が!これも超うれしいなあ。

ゴミ箱

分別ある大人ですからゴミはきっちり分別しましょう。

寝室

寝室

あらまあ、なんて素敵な・・・

こんなんもう安眠確定じゃないですかあ~

しかし、この更に奥にはもっとすごいベッドが!!!

キングサイズのウォーターベッド

株式会社米三の提供により、なんとこのすんばらしいキングサイズのウォーターベッドも体験できちゃうんです。

さっそく寝転がってみると・・・ うわっ、この浮遊感超ヤバス!!!

自分の重みでベッドの凹みが形作られていき、「ここに石膏を流し込んだら、さぞかしいい型がとれるんだろうな」などど考えながら、まるで富山湾に浮いているかのような、まるでホタルイカにつんつんされそうな浮遊感に浸ることができました。

多人数での宿泊時はこのベッドの奪い合いで戦いのワンダーランドと化すことは必至。ちゃんとゲームなどを持ち込んで平和に決めましょう。

薬箪笥

寝室にある薬箪笥がひときわ目を引きます。

書いてある字を読んでみると、独活(うど)、細辛(ウスバサイシン)、麻黄(マオウ)、龍骨(リュウコツ)などなど、薬の原料と思わしきものばかり。

きっと売薬さん自身も薬の調合を行っていたということなのでしょうね。

おもむろにベッドのスイッチをまさぐってみると・・・

照明

薬箪笥もシャレオツなインテリアとして機能しています。

寝室2

寝室の横を通り抜けると細くて長い真っ暗な廊下があります。えっと、スイッチは・・・ と思って近づくと。

廊下

あ、点いた・・・

進んでいくと3段階で照明がつきます。なんだかスポットライトをあびている気分。

寝室2

廊下を抜けると6畳間があり、中庭を望む寝室になってます。ちなみにこの宿は一度に6名まで泊まれます。

中庭

夜も素敵で、ここでお酒を飲むのもまた乙なものでしょう。

お風呂やトイレへ行くには、さらにこの先へと進まなければなりません。

売薬資料展示スペース

なんだかもう忍者屋敷にいるような気分になってきましたが、ここにもまた貴重な資料が展示されてます。

売薬資料展示スペース

当時の薬の箱や、掛け軸、写真などが展示されています。

邪なぼくなので「腹いたぁなったらここから薬を・・・」とか思っちゃいましたが、手を触れてはいけませんのでご注意願います。

お風呂とトイレ

売薬宿山キ館内の旅もいよいよ最終楽章へ突入。

ときには人感ライトに照らされ、ときには寝てる人をまたぎながら進んだ先には、この世界の終着点が存在しています。

ついにお風呂とトイレにたどり着くことができました。

洗面台には一通りのアメニティが揃っています。

そして右側にトイレがあります。

酔っ払い勢としては、小便器があるのはいとありがたきかな。

トイレ

冬場はけっこう寒いので、薄着でくるとかなり寒いのでご注意を。

バスルーム

風呂かわいっ!!

意外と風呂の底が深くなってるのですが、小生意気にも持参した入浴剤を入れてみたところ底が見えなくなってしまい、どこまでが底かわからなくてちょっと怖かったけど、手すりがあったので事なきを得ました。

手すりの存在はとてもありがたかったです。

さ~てと、しっかり身を清めたところで、いよいよ楽しい宴会タイムへと途中じゃい!!

夜の過ごし方

旅行において晩ごはんは最重要といえる要素。最高のひとときを過ごせるかどうかは、ここにかかっていると言っても過言ではありません。

過ごし方としては主に以下の4パターンが挙げられると思います。

  1. 提携飲食店の仕出しプランを利用(宿内での食事)
  2. チェックイン前に他店で食事をし、山キでまったり二次会
  3. 近所の飲食店で食事
  4. すべて持ち込み、または自炊

(1) 携飲食店の仕出しプランを利用(宿内での食事)

ふじ居

宿のすぐ向かいにある格式高めの料理店【御料理ふじ居仕出しプラン】というのがあります。

料金は29,000円~(平日)という料金設定で、おいしい仕出し料理を宿でいただきながらまったりと過ごすことが出来ます。

これは絶対楽しいでしょうね。

お酒はすぐ近所にある「酒商 田尻本店」にはいっぱいいいお酒が売ってるし、広大なセラーは圧巻なのでもし買わなくても一見の価値ありだし、満寿泉のビンテージが並ぶ光景は壮観ですぞ。

(2)チェックイン前に他店で食事をし、山キでまったり二次会

この界隈には昼から飲める素敵なお店がいくつもあり、何店かハシゴすると絶対に楽しいですから酒好きならば絶対にやってみるべきです。

 

  • MUROYA(ランチ・地ビール・日本酒)
  • 沙石(満寿泉がほぼ全種飲める立ち飲み処)
  • つりや(海の保存食)
  • KOBO Brewery Pub(地ビール)

二次会の買い出しは酒商田尻本店、つりや、徒歩10分程の場所にあるコンビニでばっちり揃います。

富山駅からのライトレール勢なら富山駅で選ぶのもアリですね。

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密かに宿内でも富山の珍味が購入出来るのですが、これがありえないくらい安いので買って帰らなかったことを後悔した次第です。

(3) 近所の飲食店で食事

すぐ近所には食堂・居酒屋・寿司店・懐石料理店・料亭・フランス料理店・イタリア料理店などがあるので、外で食事して二次会を宿でするという過ごし方もありですね。

この界隈には名店が多く存在しているので、グルメな人もきっと満足してもらえるのではないかと思います。

(4) すべて持ち込み、または自炊

せっかく1日1組限定の無人の宿に泊まるのだから、外界の雑音をすべてシャットアウトして引きこもりたい・・・ということで、今回ぼくらはこの(4)のプランを遂行することにしました。

お酒はGoToトラベルキャンペーンを利用してもらった、ウェルカム富山県キャンペーンの富山の地酒6種。

大和で買った刺身盛りとローストビーフとバゲット。スーパーではフルーツ盛り。そしてこの日のために北海道から取り寄せた珍味の数々。

〆にはちゃっかりアイスなんかも食べてみちゃったりして。

テレビとスマホをケーブルで接続し、宿のWi-Fiに接続しアマゾンプライムでドラマを視聴。

なぜか新しいスマホだと画面が映らなくて、2世代前に使っていた古い機種を引っ張り出しました。古い機種だからか最初に再生がもたつくのはご愛嬌。

孤独のグルメを見ながら、ゴロちゃんにツッコミ入れつつ飲むお酒の楽しいこと楽しいこと。

外界から完全に隔離された空間で過ごす楽しい時間はアッという間に過ぎ去っていったのでした。

ブレックファスト

ぷかぷか揺られながら眠りについた次の瞬間!・・・もう朝だよ。

もうちょっと余韻に浸りたかったのに、まったく気持ち良すぎるんだよあのベッドは。

ということで冷蔵庫には2人分の朝食が入っています。

とべーぐるのベーグルはオーブンで温め、スモークチキンはレンチン、紫キャベツのラペはそのまま、具だくさんのクリームスープもレンチンで。

冷蔵庫から取り出したときにまだ少しシャーベット状だったからか、マニュアル通りに作るとぜんぜん温かったので、ちょっと凍ってる場合は2~3倍くらい長くやったほうがいいかも。

朝食

どの食材も個性が光っていて満足度の高い朝食でした。スープも言うだけあって本当に具だくさんすぎる。

包丁で切れ込みを入れればバーガー風にも楽しめます。

このスモークチキン、めっちゃいいスモークの香りがして肉も柔らかくてすっげえおいしいいいい!!

チェックアウト

はああ・・・

もう出なきゃいけないのかよ・・・ 思わずため息がもれるくらい寂しくて名残惜しい。

つまりそれは、この宿で過ごした時間がそれだけ格別のものだったということに他なりません。

11時ぎりぎりにチェックアウトして我々が向かった先は・・・

KOBO Brew Pub

KOBO Brew Pubのビール

すぐ目と鼻の先にある11時オープンのKOBO Brew Pubへ。

飲んだくれの旅はまだまだ続くのじゃ。

あとがき

岩瀬の古い町並み周辺には観光スポットも多く、今回宿泊した売薬宿山キは県外の人にももちろんオススメですが、富山の人にこそぜひ泊まってほしいと思いました。

ぼくはこれまで旅行といえば県外ばかりでしたが、富山県の地元で泊まろう!県民割引キャンペーンなんかもあったりして、富山県内に泊まる機会がググッと増えました。

すると、これまで見過ごしがちだった地元の良さや魅力を再認識することができ、富山って派手さはないけど本当にいいところだなとしみじみ実感しています。

この記事では売薬宿山キ誕生に関わる深いドラマの部分は端折ってますが、気になった方はぜひ公式サイトをご覧になってみてくださいね。

この売薬宿山キは、数ある宿泊施設の中でも異彩を放っていますが、ここでどう過ごし、どう楽しむか、イマジネーションがとても刺激される宿です。

さあ、あなたならどんな過ごし方をしてみたいですか?

売薬宿 山キ

住所:富山市東岩瀬町183

電話:076-461-4894

駐車場:徒歩3分の場所にコインパーキング有り

チェックイン:16:00~21:00

チェックアウト:翌朝11:00

公式webサイト

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • ここ、最近行きました。
    確かに雰囲気はすごくよかったのですが、一晩で3匹もGが出現!
    「徹底した清掃」は本当に行われているのかしら、と不安になりました。

    • くまさん、どうもこんにちは。
      これはなかなか難しい問題ですよね・・・
      建物の築年数もかなりものですし周囲は民家が密集していますので、完全にシャットアウトするのは難しい気はします。
      ぼくのときは時期が良かったのかも?

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