2023年もいよいよ師走。
もう年末かよ･･･こないだ年明けたばっかやんけ･･･と思うぼくのような人はきっと少なくないことでしょう。
12月といえば富山でとあるお酒が発売される時期です。そう、「富山ブレンド」です。
富山ブレンドがはじめて発売されたのは今から3年前。富山県酒造組合に加盟する16蔵（当時）の思いを一本に込めたお酒は、「コロナに負けない」という熱いメッセージと酒蔵の団結力が当時話題になりました。
その富山ブレンドが今年も発売されるということで、果たしてどんなお酒に仕上がっているのか楽しみにしている人は少なくないことでしょう。
旭町居酒屋大ちゃんにて
個人的な話になりますが、とあるお酒関係者と少なくとも昨年くらいから「一緒に飲みに行きましょう」と話していた飲み会がついに実現することと相成りました。
「よし･･･ならば、アレを持っていくしかねえ」ということで、あるのん秘蔵のお酒を蔵出しすることに。
そう、そのお酒こそが件の富山ブレンドです。
何が秘蔵かって･･･
そう、最初期の富山ブレンドを冷蔵庫の氷温室で3年寝かせたものなのです。
富山ブレンドは毎年中身が違うため、これと同じ酒はもう二度と手に入らないということを考えると大変に貴重なお酒といえるでしょう。
この富山ブレンドが発売されたときのぼくの周囲の評価は「賛否両論」という感じで、なかなか良いという人とそうでもないという人の意見が分かれていたように思います。
一升瓶で2,000円くらいなので過度な期待は禁物とはいえ、とある酒造関係者によれば中には「吟醸」などの質の高いお酒も提供されていたそうで、もしかしたらお値段以上の中身だったのかもしれません。
ぼくはこのお酒をはじめて飲んだときに、この富山ブレンドがお酒を合わせてから早めに出荷されることから、「寝かせたほうが味がまとまってより美味しくなるのでは！？」と思い、もう一本購入して冷蔵庫にぶち込んでおいたのでした。
あ･･･これはいい！！！
すごくいい熟成状態になってた！味の普通酒っぽさはそのままですが、味を形成するその周囲がものすごくクリアになっています。
結成して間もないオーケストラだったのが、まるで3年もの活動期間を経て円熟に至ったオーケストラのような成熟感がありました。
これは･･･熱燗にしたらよりうまいのでは！！？ということで燗につけてもらいました。温度を聞かれたので熱すぎずぬるすぎずで。
このお店で燗酒を飲むのははじめてでしたが、まだお酒の入ってないぐい呑みを持った瞬間に温かかったのが驚きました。
旭町居酒屋大ちゃんでは熱燗はいつもこうして提供されるとのこと。さすがのこだわり！
ぬあああ！！めっちゃうめえええ！！
もはや普通酒っぽさすら消え、味の存在感はしっかりあるのにしつこさや嫌味が一切なく、スラッとして爽やかな余韻。
これは富山の食中酒として珠玉の味わいであると言っても過言ではありません。
富山湾の味覚、天然シマアジとヒラマサ、越中バイ。
酒が蒸発する酒盗炒め。
半熟玉子がたまらないカニ甲羅グラタン。
パリパリチーズの有能感。冷めてもパリパリしてて熟成酒にもばっちり合う。
この他に「わさび枝豆」も食べたけど、これ以上辛くても薄くても微妙という絶妙な辛さで皆して「うまいうまい」言ってたら、惜しげもなくそのレシピを教えてくれました。
お酒関係者が持ってきた2年熟成酒の数々。ぼくが熟成酒を持ってくると伝えていたので彼らも何か持っていこうと思ったのでしょう。
まるで試飲会のような光景ですが、他にも8年熟成の純米吟醸もあったりと貴重なものが並ぶ中、特にインパクトがあったのはこちら──
コンビニでも缶で見かけたりするお馴染みの「ふなぐち菊水一番しぼり」なんですが････色おかしくね！？
まっきっき！！
こ、これは果たしていつのお酒なのやら･･･と思ったら･････
なんと！平成16年！！！
ほぼ20年モノの日本酒･･･これは古酒をこじらせたような飲みにくい味かなあと警戒しましたが･･･
これがめっちゃうめええ！！！
ふなぐち菊水は元々かなりフレッシュで濃ゆい味わいですが、アルコール度数も高めで熟成に向いていたのか、元の味わいがしっかり残りつつも古酒独特の焦げた風味というか嫌な感じがありません。
老酒を好む中国人の間でも人気の出そうな完成度の高さ。これは恐れ入りました。
しかしこれ、値段のつかないやつやな･･･
お酒関係者に今回の富山ブレンドの熟成について「もしかして常温保存だったら3年じゃなくて1年でこのレベルになったのでは！？」と聞いてみたところ、どうやらそうらしい･･･
でも、冷蔵庫だからこそこれほど綺麗に熟成したともいえるような気はする。
※お酒の持ち込みは許可をいただいています
もちろん大ちゃんの素晴らしい日本酒もしっかりいただいていますよ。
このお店に来ると初めて見るお酒ばかりで心が踊ります。全国には知らないお酒がいっぱいあるんだなあということが思い知らされますね。
皆様におかれましても、「ちょっと（大ちゃんへ）勉強しに行ってくるわ」と向学心を発揮してみるのもいいかもしれません。
ちなみに日本酒のメニューはあってないようなもので、ぼくがお酒のメニューを見たのははじめて訪れたときだけ。「大ちゃんのおまかせ3種」とか「美幸ちゃんのおまかせ3種」が定番で、好みを伝えたり「なんか次のお酒を～」とかいえば美味しいのが出てきますよ。
「本日のワンコイン日本酒」にはちょいちょいとんでもないお酒が混じったりしていて、そちらも目が離せません。
「開けて風味が抜けるお酒は、できるだけその日のうちに消費したいから」というのがその理由らしいんですが、そんな商売で大丈夫なのか･･･とこちらが心配するほどに良心の権化のようなお店です。
「本日のおすすめ」は毎日更新されています。その理由を聞いたら「毎日来てくれるお客さんもいるから」ということですが、お店も凄いけどお客さんもすごい。
お店の奥にもおすすめメニューがあったのを今回初めて気づきました。
今までカウンターオンリーだったので見逃してたなあ。他のメニューとはしっかり内容も違いますね。
大人だけの居酒屋ではないよ(笑)
大人だけの居酒屋ではないよ(笑)セットメニューも充実。
ちひろちゃんセットにそうしろう君セットなど、ワンコインでドリンクと一品がつくお子様向けのメニューが並んでいますが、中にはゆいりょう君セットの「ドリンク+イカ刺身」という激シブなものもあったりして、実はゆいりょう君(53)とかじゃないよね･･･
まあ確かにこちらのお店ではお子様連れのお客さんもちょいちょい見かけますからね。お子様も常連になれば自分の名を冠したメニューが登場するということになり、全酒飲み憧れの「いつもの」オーダーが可能というのは胸アツ案件すぎますね。
何より大事な居心地のよさ
以前は店主の大ちゃんが料理をつくり、奥さんの美幸ちゃんがホールを担当されていましたが、現在は大ちゃんが車椅子生活ということでお互いの担当が入れ替わりました。
しかしどこまでも情熱的でポジティブな大ちゃんと、すべてを温かく包み込んでくれるような美幸ちゃんご夫婦はこれまでと何も変わらず、我々はただひたすら楽しく気持ちよく酔っぱらうことができるのです。
いつも美味しい料理とお酒をありがとうございます！
男子4人の〆はやはり麺類！！爆盛りの焼きそばに大満足。
〆の〆にアラ汁が出てきた！めっちゃいい出汁でてる。これは最高の〆ですわ。
コミュニティ
旭町居酒屋大ちゃんでは「◯◯の会」というテーマを絞った日本酒の会が頻繁に行われています。
「会のお知らせ」や「その日のおすすめメニュー」や「その他突発的なお知らせ」などの情報は、現在150名ほどからなるLINEグループによって日々通知が来るので、貴重な情報を漏らさずゲットすることができます。
ある日、ぼくが飲みに出ようと電車に乗って富山駅を目指していたところ、居酒屋大ちゃんの「本日のオススメ」がLINEに届き、急遽最寄りの不二越駅で下車してしまうという嬉しいハプニングが起きてしまうことも。
旭町居酒屋大ちゃんは男性はもちろんのこと、女性の一人客も多く誰でも気軽に入れるお店なので、日本酒好きや興味がある人はとりあえず一度訪れてみてくださいね。
ということで話は戻って、富山ブレンドを見かけたら保管用も購入して冷蔵庫か冷蔵庫が入らなかったら日の当たらない暑くないところに寝かせておくと、すごいお宝になるかも･･･！？
旭町居酒屋大ちゃん
住所：富山市旭町2-33
電話：076-491-9877
営業時間：18:00～23:00
定休日：不定休
公式サイト
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