こんにちは、富山人あるのん@_arnon_です。
立山町の山深くに存在する立山博物館の敷地には、かの有名な地獄スポットが存在します。
いや、それでは説明が足りない。
正しくは立山信仰の拠点として栄えた立山町芦峅寺の原風景の中、立山曼荼羅の世界である地界、陽の道、天界、闇の道を『見・聴・香・触・空』の五感で体感できる現代アート展示施設、それがまんだら遊苑です。
駐車場に車を停めて歩いていくと、目の前には既に極楽浄土のような美しい風景が広がっています。
入場料は大人400円で、大学生以下は無料。立山町の良心を感じずにはいられませんね。
目次
まんだら遊苑は大きく分けて『地界・陽の道・天界・闇の道』の4つから構成されています。
地界
地獄の世界を表現した「地界」。
かつて立山信仰において、地獄谷は本物の地獄として恐れられていたという。
チケットを購入しゲートを潜ると、突如目の前の建物からこの世のものとは思えないおどろおどろしい音が鳴り響いています。
ではこの小さな入口から地獄の3丁目に突入していきましょう。
強烈な赤の世界と効果的な照明、さらに地響きのような轟音やうめき声によって強烈な地獄の世界が表現されていて、長時間いるにはとても耐えがたい空間となっています。
げに恐ろしき地獄百景。
この地獄の鐘を鳴らせばよりカオスに。
異世界感に包まれたフラッシュ効果抜群の通路を進んでいくと、道なりに曲がった最後に地獄の通路を通らねばなりません。
とても細く、人1人がやっと通れるほどの道を。
今にも餓鬼が息を吹きかけてきそうな雰囲気で、実際横の穴から不気味な音が聞こえてきます。
はっきし言って、そんじょそこらのお化け屋敷より全然怖いのですが、もしカップルで行った際は男性は優しくエスコートしてあげてくださいね。
我先にと一目散に逃げてしまい、地獄以上の地獄を体験してしまうことのなきようにしましょう。
※どうしても無理という人はここに入らずとも先へ進めます
地獄から這い出てホッとするのも束の間、目の前には秋頃にカエルとか刺さってそうな針地獄、池底からゴボゴボと空気が浮きつつも大量のオタマジャクシにちょっとほっこりする血の池地獄、地獄をイメージしたという割に景観抜群そうな精霊橋などで構成された地獄世界が広がっています。
井戸に向かって呼びかけよ!地の底におのれの罪業が見え聞こえする
ちょっとオシャした貞子が這い出てきそうな井戸ですが、勇気を出して大きな声で呼びかけてみましょう。
おのれの罪深さに恐れおののかないよう、普段から感謝の気持ちを忘れず人を欺かない人生を送りたいものですね。
そして何やら餓鬼の火葬場みたいなのがありますがそうではなく、中心の円の部分を押し開けてみると様々な香りが楽しめるようになっています。
1つ1つ違う香りなので、不思議に心地よい香りをしっかり堪能してみてくださいね。
精霊橋
橋の先端の部分は完全に宙に浮いています。
ちょっと不安に思うかもしれませんが、かなりしっかりした作りで20人くらいまではいけるとのこと。
相撲部屋20人とかでも大丈夫なのか気になるところですが、まあ多分入り切らないから大丈夫でしょう。
先端部分はシースルーになっていて高所恐怖症でなくてもけっこう怖い。
しかし絶景である!
橋はしっかりした作りではありますがわりと揺れます。わざと揺らして彼女をビビらせるような小学生男子みたいなことをすると、愛も揺らぎかねませんからやめておきましょうね。
陽の道
小さな橋を渡った先には、立山信仰において重要な立山登拝路をイメージした空間が広がっています。
この立山登拝路を進み、血界から天界へと目指していくのです。
各休憩所には不思議な物体が設置されていて、耳を澄ますと水琴窟、流水音、水の落下音などが流れる装置となっているので、ぜひ耳を澄ませて聞いてみてください。
立山登拝は江戸時代まで女人禁制だったのですが、こうして誰でも手軽に体験したような気分が味わえる時代がやってくるとは利長くんもびっくりですね。
香り三十三観音
ところどころ設置されている回復アイテムみたいなこの置物。
この器の中からはほのかに良い香りが漂い、なんらかの心的ゲージが回復するのは間違いなさそうです。
頂上が見えてきた!
青空にさらされ、そよ風に煽られ、険しい登拝路を進むこと約300m。
ついに目指すものが見えてきました!
ぬおっ!!?
あ、あれわああああ~っ!!!!
富山県民にはやたら既視感のある立山の山頂っぷりに、親しみがわかないはずはありませんでした。
画像引用:富山県警察
はい、富山県警察のシンボルマスコットの「立山くん」です。
この石をずらせば天界へと通じる階段が・・・出てきたりはしませんが、脇の「天の回廊」から普通に歩いて天界へと至りましょう。
天界
立山浄土の理想郷が表現された世界。
日頃の行いが良いせいか、すんなり来ることができました。
※悪くてもすんなり来れます
天界窟
天界窟はちょっとした迷路空間のようになっていて、各通路のつき当りには展示室があります。
7つの展示室は国内外のアーティスト7名によって、天界をイメージして作られた作品が展示されているのです。
- 壱號窟『せんまんなゆた』造形作家 熊井 恭子
- 弐號窟『天界窟』美術作家 榎倉 康二
- 参號窟『天界窟』建築家 エンリック・ミラレス(スペイン)
- 四號窟『微界音』彫刻家 米林 雄一
- 五號窟『CE QUEL’AMOUR ME DIT(愛が私に語るもの)』カリグラファー 佐々木 実
- 六號窟『天界窟』建築家 トム・ヘネガン(イギリス)
- 七號窟『天衣の記憶・一滴の消息』彫刻家 吉江 庄蔵
撮影について
2019年から撮影可能の場所が増えました。
複数の係の人に直接聞いてみたところ、撮影が駄目なのは一部の天界窟のみのようです。
撮影禁止の場所はわかるようになっているとのことなので、しっかり指示に従って楽しみましょう。
壱號窟『せんまんなゆた』造形作家 熊井恭子
六號窟『天界窟』建築家 トム・ヘネガン
こ、これが・・・七宝に彩られた極楽浄土を表した天界・・・ってやつか・・・
ぼくはもうちょっと徳を積まないと、この真の良さを理解するにまだ至らないのかもしれません。
天界窟で撮影がオッケーなのはこの2部屋だけでした。
天界奏楽洞
この世の喜びや楽しさに満ちた浄土を体感できる天界奏楽洞。
ここでは8種類の天の楽器を自由に鳴らすことができます。
気分はさながら天界音楽隊。
この未知なる楽器を弾きこなして聴衆を魅了できれば、きっとお金がバンバン稼げてモテモテになって名声も・・・
おっといけない、煩悩煩悩・・・
ちなみにこの部屋の頭上には『天遊桟敷』があります。天子天女が空を舞う優雅な光景をイメージしたもので、不思議な光や香りを体験できたり網の上を歩いたりできるようになっています。
天至界
更に奥へと進んでいくと、広い空間の中心にはドーム状の不思議な形をした建造物があります。
母親の胎内をイメージしたというこのドーム。
仏教では自己と宇宙は一体のものと考えられていて、しかし現実ではなかなかそのようになれないために様々な苦しみが生まれます。
人が生まれてきた意味を今一度考えてみようということから、母親の胎内が原点回帰となるわけです。
中心の皿状の部分に寝転がれば、きっとあらゆる日常の雑念から開放されることでしょう。
静かな視覚効果と音響によって心は安らぎ、いつまでもここにいたいという気持ちになることは必至です。
いっそここで生活したいよママン・・・
闇の道
天界から現実へと回帰する『闇の道』。
人は極楽が過ぎると堕落するものです。その戒めとして「墜落の道」をイメージした出口となっているのです。
さあ、現実の世界へと戻りましょう。
地獄とは何か、浄土とは何か、信仰とは何か。
立山信仰を礎とした壮大なテーマに迫ったまんだら遊苑での体験を糧に、現世に戻ってもきっとこれまでとは違った何かに思いを馳せることもあるかもしれません。
そして終点、自動で開くドア・・・
・・・・・・・・・・
いやや!!わいは天至界の胎内でずっと暮らすんや!!
現世なんて辛いばかりやん!!!・・・クスン
どこまでも往生際の悪いあるのん。
なあに大丈夫、400円払えばいつでもここに来られるのだから心配はいらないさ。
そこはまあ自己解決してくれ!
まんだら遊苑 まとめ
400円でこれだけ楽しめる施設なので、老若男女におすすめできるとっておきのスポットです。
まんだら遊苑の出口周辺にはかもしか園もあるし、無料休憩所もあるのでお弁当を持ち込んで食べることもできますよ。
※ゴミはきちんと持ち帰りましょう
景色もすごくきれいなところなので、ぜひお休みの日にお出かけてしてみてくださいね。
まんだら遊苑は『見・聴・香・触・空』の五感で感じて楽しめる施設ですが、惜しくも「味覚」がないので出口付近に『まんだら地獄ソフト』とか『天至界ジェラート』とかあったらいいのになあ~とか思ったり。
どこまでも煩悩の止まらないあるのんでした。
まんだら遊苑
住所:富山県中新川郡立山町芦峅寺93-1
電話: 076-481-1216 (富山県立山博物館)
営業時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日:月曜日(祝日の場合はその翌日)
休苑期間:12月1日~3月31日
料金:一般400円・大学生以下無料
※20名以上の場合団体割引あり
※身体障がい者手帳、療育手帳、および精神障がい者保健福祉手帳を所持する人とその付添い1名は無料
駐車場:無料200台
その他:バリアフリー: 車椅子対応、車椅子貸出、車椅子用エレベーター、盲導犬・介助犬、授乳室、ベビーシート、多目的トイレ、年に1度ナイトウォーク期間あり
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